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「身体障害を言い訳にするな」とダットン内務相

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「障害者への理解を」と首相の宣言の翌日

 選挙に向けて連邦下院と上院半数が解散した現在、選挙管理内閣のスコット・モリソン連邦首相が「我々は障害者への理解を持たなければならない」と宣言した翌日に首相の部下、ピーター・ダットン内務相が自分の選挙区のライバル候補者に対して、「身体障害を立候補選挙区への転居の遅れの言い訳にするな」と発言した。これに対して障害者団体など各方面から批判が上がっている。また、モリソン首相もダットン候補を叱責する機会が2度もあったにもかかわらず、その機会を逃したとして批判を浴びている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 労働党のアリ・フランス候補はダットン自由党候補と同じQLD州のディクソン選挙区から立候補しているが、現在は選挙区に隣接した他区に住んでいる。

 フランス氏は2011年にショッピング・センターでの買い物の後、駐車場で幼い息子をショッピング・トロリーに乗せて押していたところ、乗用車が暴走してきた。フランス氏はトロリーを車の進路から押し出したが自分は暴走車と他の車の間に挟まれ、脚を押しつぶされた。息子は無事だったがフランス氏は左脚膝上切断の重傷を負った。

 フランス氏は現在はディクソン選挙区から7分の地区に住んでおり、「外では義足をつけているが、賠償金で改造した自宅では車いすの生活をしており、転居するために車いすで生活できる設計の家を探しており、転居が遅れている」と説明している。

 障害者団体、労働党は、ダットン発言を不適切な発言を批判しているが、モリソン首相は、「ダットン発言批判は発言の前後関係を無視している。彼はフランスの障害を取り上げて政治的な意図で攻撃したものではないだろう」と自分の大臣を擁護する発言をしている。

 また、ダットン内務相自身は、「選挙区の障害者達は、フランスが選挙区に住んでいないのがけしからんと発言している」と反論している。
 労働党のタニア・プリバセク副党首は、「ダットンは偽善者だ。自分はほとんどの時間をゴールド・コーストのマンションで生活していながら、フランスがディクソン選挙区に暮らしていないと批判できるのか? ダットンやモリソンが誰とも分からない人の発言を引き合いに出すのもおかしな話だ。それなら、私も、何人かの人が、ピーター・ダットンはとてもいやな人間だと言っているのを聞いたとはっきり言っておきたい」と語っている。

 ビル・ショーテン労働党党首は、「ダットンの発言は、1.7%の票差しかないディクソン選挙区で追い詰められた気持ちからだろう。モリソン首相はダットン大臣に謝罪させるしかない」と語っている。
■ソース
Peter Dutton criticised for accusing Labor candidate Ali France of using her disability as an ‘excuse’

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