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アダニ社炭鉱開発計画環境認可巡り疑惑浮上

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同僚議員の圧力で環境相が認可強行か

 インド系炭鉱会社アダニ社のギャラリー炭田カーマイケル炭鉱開発計画は連邦総選挙期間中にメリッサ・プライス環境エネルギー相が環境認可に署名した。

 しかし、4月17日にはプライス大臣の発言とは異なり、政府科学機関とアダニ社の会議で科学機関の要求した環境条件をアダニ社が拒否していたとするメモが暴露され、さらに、開発認可を求めるQLD州選出自由国民党議員の圧力でプライス大臣が認可を急いだ可能性が明るみに出た。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が入手した情報を伝えている。

 環境エネルギー省が明らかにしたもので、省高級官僚と政府の科学機関、CSIROおよびジェオサイエンス・オーストラリア代表とが会い、論議を呼んでいたアダニ社の地下水管理計画について意見交換をしたのは省側の考えではなく、QLD州選出議員が、「選挙前にアダニ開発認可をしなければプライスはクビだ」と発言した直後にプライス大臣の指示によるものだった。

 4月4日、右派系メディアニューズ・コープ社のメディアが、「QLD州選出議員代表がスコット・モリソン連邦首相と会見し、開発認可を急ぐように求めた」と報道した当日にプライス大臣から省官僚に科学機関との会議を開くよう指示があったことになる。

 プライス大臣はこれまで、「環境認可は政治的圧力ではなく、純粋に科学機関の答申に基づく決定であり、科学機関は独自に技術的な内容に基づいて答申している」と主張していた。

 しかし、4月17日には、アダニ社が政府科学機関の要求条件を拒否したというメモが発掘されており、プライス大臣の環境認可周辺が怪しくなってきている。

 さらに両科学機関とも「評価を急ぐ理由はなかった。また計画に合意するよう圧力を受けてもいなかった」としているが、省高級官僚との会議は異常にあわただしく大臣から指示があった。それまで両科学機関は、「アダニ社の地下水モデル化、モニター作業、管理についてはさらに作業を必要とする」としており、環境認可は作業が進まないまま行われている。しかも、科学機関に対して省高級官僚からはアダニ社の計画改訂版が口頭で伝えられただけで、その後に両機関が省に宛てて、地下水問題に関する疑問点が解決したと電子メールを送っており、それに基づいてプライス大臣が環境認可を行ったことになっている。

 アダニ社の鉱山開発は、QLD州労働党政権も州・連邦の保守連合議員も支持しているが、連邦労働党は態度をはっきりさせていない。一方、NSW、VIC州両州を中心に南部諸州では特に都市部で有権者の反対論が強いため、アダニ問題が選挙の争点になっている。
■ソース
Environment Minister ordered Adani meeting the day colleagues lobbied for approval

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