NSW州は90日間のSMART(Shark-Management-Alert-in-Real-Time)試験プロジェクトを実施しており、沿岸各所にドラムラインを敷設している。
シドニー・ノーザン・ビーチのニューポート地区の海でも全長3.5mのイタチザメがドラムラインにかかり、タグを付けた上で放流した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
このプロジェクトではすでに43尾のサメがかかっており、いずれもタグを付けた上で約1km沖に放している。シドニー周辺でこれまでに捕獲された最大のサメは全長3.5mだった。
シドニー、ウロンゴン、ニューカッスルの海水浴場では毎年9月から4月までシャーク・ネットを敷設しているが、ドラムラインがすぐにシャーク・ネットに取って代わる計画はなく、さらに試験が続けられる予定になっている。
43尾のうち14尾がニューカッスル、南部海岸、北部海岸などでドラムラインに捕獲されている。シドニー沿岸ではドタブカ10尾をはじめとして14尾のサメがかかっている。
州政府第一次産業省(DPI)によると、南部海岸捕獲された中にはホオジロザメ6尾、イタチザメ5尾などがいる。
SMARTドラムラインは非致死性の捕獲法で、サメがかかるとその位置をGPSで知らせるように設計されており、アダム・マーシャル農相は、「この試験でサメの移動経路やこのテクノロジーの有効性を調べている。小さなサメばかりか大きなサメもドラムラインにかかっており、大型のイタチザメも先日かかったばかりだ。このドラムラインが成功だということは明らかだが、だからといって今すぐにシャークネットを捨ててドラムラインに切り替えるというのは尚早だ。決定の前にもう少し分析を進めなければならない」と語っている。
また、「このテクノロジーの利点は、捕獲したサメを生かしておくだけでなく、サメにタグを付けることで学者がサメの動向を観測することができことがいえる」と語っており、NSW州のサメのタグ付けプログラムは世界最大級と推定されている。
■ソース
Large sharks caught in drumlines on Sydney’s northern beaches as part of NSW’s SMART tagging program