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米豪難民交換協定でルワンダ虐殺容疑者が豪に

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英人犠牲者の豪人両親が「何も知らされなかった」

 1999年、ウガンダとルワンダの抗争で、ウガンダを旅行中のヨーロッパなどからの観光客グループがルワンダ武装グループに襲われ虐殺された事件のルワンダ人容疑者2人が、オーストラリアとアメリカの難民交換協定でオーストラリアに定住していることが暴露され、犠牲になったイギリス人青年(当時27)のオーストラリア人両親が「政府から何の話も伝えられなかった」と語り、二重の衝撃を受けている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 保守連合政権は難民船の渡来を防ぐためとして、難民船の乗客をパプア・ニューギニアとナウルの「領外難民処理センター」に移し、「難民は将来もオーストラリアに入国させない」と宣言し、また、無所属議員の動議を労働党と緑の党が支持して制定された「難民医療移送法」通称メディバックに対しても、「難民に混じって犯罪者がオーストラリアに入り込む」として反対していた。

 しかし、保守連合政権がアメリカ政府と交わした「難民交換協定」でアメリカから送られてきた難民の中に虐殺事件の容疑者2人が含まれており、すでにオーストラリアに定住していることが暴露された。

 イギリス国籍の青年はスティーブン・ロバーツさんで、8人の観光客の乗った車がウガンダで襲われ、ナタで切り殺されている。

 スティーブンさんの両親、デビッドさんと妻のローラさんは20年ほど前にオーストラリア国籍を取得しているが、アメリカから送られてきたルワンダ人虐殺容疑者がオーストラリアに定住することを保守連合連邦政権から何も聞かされておらず、「5月16日にテレビのニュースを見て初めて知った。ルワンダで80万人が虐殺された事件から5年後に息子はウガンダの国立公園内で虐殺された。20年前の悲痛な気持ちが一挙に甦ってきた」と語っている。

 また、「オーストラリア政府に見捨てられたような気持ちだ。何年経っても心の傷が癒えないのに、政府は被害者の家族に何の連絡もしなかった」と語っている。

 移民省筋からの情報でABC放送がピーター・ダットン議員の内務省その他の政府機関に問い合わせても事実関係を明らかにすることを拒んだと伝えられている。

 しかし、16日にスコット・モリソン連邦首相が、「国家安全保障、犯罪歴、戦争犯罪、人道に対する犯罪などについて問題の2人を審査した結果、オーストラリア国家の安全保障にリスクはないと判断し、定住を認めた」と語っている。また、「2人に対する容疑はあくまでも容疑であり、事実ということではない」と語っている。

 しかし、ロバーツ氏は、モリソン首相の発言を聞いて、「猛烈に腹が立った。パプア・ニューギニアやナウルに抑留されている難民は何の犯罪歴がなくてもオーストラリアに入れないのに、犯罪歴が疑われている者がアメリカ経由でオーストラリアに定住することを許すなんて信じられない」と語っている。
■ソース
Rwandan massacre victim’s Australian parents kept in dark on suspects’ resettlement from US

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