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保守連合の打ち上げた選挙公約にエコノミストの批判

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「初めての持ち家ローン自己資金率引下げは無意味」

 スコット・モリソン保守連合は、「初めての持ち家購入者の住宅ローン自己資金率を引き下げ、初めての持ち家を買う人を支援する」と公約していたが、複数のエコノミストが、「そのような制度は無意味で効果なし」と批判している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 エコノミスト達はさらに、「そのような制度は初めての持ち家購入者のリスクを高めるだけで持ち家率を高めることはないだろう」としている。

 モリソン保守連合が発表した制度では、単身者なら年収$125,000未満、カップルなら合計年収$200,000未満の初めての持ち家購入者で申請1万件に限り、住宅価格の20%という頭金に対して手持ち資金の不足分を政府が援助するというもので、その他にもモーゲッジ保険料の支払いも免除される。

 モリソン連邦首相は、「初めての持ち家購入者が住宅市場に入りやすくするため、住宅総額の5%の自己資金で住宅ローンが借りられるようにする」と発表していた。

 グラタン・インスティチュートのブレンダン・コーツ氏は、「そのような制度では初めての持ち家購入希望者が不動産市場に入れるよう保証することはできない。初めての持ち家購入希望者が住宅市場に入り込めるのは、誰かが市場に入るのに失敗した場合だけに限る。その場合、住宅価格が下がらなければならない」と語っている。

 さらに、「ローンを組んでも年間いくら返済できるかということがローン認可の基準になるため、この制度を利用できない人が大勢いることになるだけだろう。この制度を利用できるのはすでに5%の頭金を持っている127,000人程度だろう」と推定している。

 また、2018年に初めての持ち家を購入した人は人口の約10%程度で、既に5%の頭金を持っていたのだから、90%の人はこの制度を利用できないということになる、と語っている。

 コーツ氏は、「制度の枠を広げ、利用できる人数を増やしても何の助けにもならないだろう。もし、1万件という枠を取り払っても需要が増えるだけで、住宅価格が上昇するだけ。そうなれば初めての持ち家購入者を支援するどころか、持ち家を買いにくくする結果にしかならない」と語っている。

 また、「大都市では住宅価格が下がっているが、初めての持ち家購入は徐々に困難になってきている。昔なら普通の勤め人で5年から6年で自己資金を貯めることができたが、今は頭金が最大のハードルだ」と語っている。
■ソース
Economists warn Coalition’s first home buyer deposit scheme is ‘irrelevant’ and ‘ineffective’

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