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オーストラリア大陸内陸部の古代の地下渓谷に水

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先住民族の荒れ地に土地開発の可能性も

 オーストラリア大陸のSA州北部と北部準州(NT)南部とを占める荒れ地の地域はその土地に先住民族権を持つグループの名を取って、アナング・ピジャンジャジャラ・ヤンカニジャジャラ(APY)ランドと呼ばれている。そのあたりは赤土とトゲのあるイネ科のブッフェルなどが生えているだけだが、そのAPYランドで古代の地下渓谷に大量の水が見つかっており、土地開発の可能性も期待されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 新しく古代の地下水が発見されたのはSA州北部フレゴン地区近辺で地表から約90m地下の「古代渓谷」に埋蔵されていた。

 先住民族グループの長老、ウィジチ・ジョージ氏は、「聖地の下を古代の水が移動し、そこを流れている」と語り、蓋をした試掘井戸に腰をおろして、井戸から水が噴き出した瞬間のことを、「水が空中高く噴き上げた」と笑いながら語っている。

 現在は、水は抑えられているが、ジョージ氏は、フレゴンのような孤立したコミュニティにも牧畜業ができ、仕事が生まれ、永続的な産業ができればと期待している。

 実際、毎年何万頭もの牛が北部の牧場から移動してきて、この地域で肥育されている。ジョージ氏は、「水は動物にも必要だし、仕事にも必要だし、アナングにも必要だ」と語っている。

 APYランドには10か所のアボリジニ・コミュニティがあり、この水が貴重な飲料水になる可能性もある。これまでの地下水は地表から30mほどの帯水層で発見されているが、新しく発見された水は地表から90mの深さにあり、しかも、塩濃度は海水の350,000ppmに対して1,000ppm程度とかなり淡水に近い。淡水は500ppm以下を指す。

 SA州政府の環境水源省のエイドリアン・コスター主任水文技師によると、「試掘サンプルでこの水は500万年から1000万年前のものと判定されている。ここに古代渓谷があることは分かっていたが水量がどの程度かはまだ分かっていない。また、真水に近いことだけではなく、水は1秒間に10リットルから15リットルの量で噴き出す圧力があり、オリンピック・プールを2日で一杯にすることができる。現在はフリンダース大学やCSIROと共同作業をしており、この地下水の水源を調べている。今後調査を進め、この貴重な水源を将来にわたって保護していきたい」と語っている。
■ソース
Water discovery in ancient underground valley boosts hopes of development in APY Lands

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