与党ウォレン・エンチGBR特別使節が公言
QLD州選出のウォレン・エンチ自由国民党連邦下院議員が、グレート・バリア・リーフ(GBR)海域に注ぎ込む川の上流の原生林2000ヘクタールをブルドーザで根こそぎする計画を支持していることが明らかになった。
問題はスコット・モリソン連邦首相が、QLD州北部ライカート選挙区選出のエンチ議員を、この広大な珊瑚礁海域を賞揚する「グレート・バリア・リーフ特別使節」に任命していたことで、エンチ議員は以前から原生林伐採を推進する発言をしている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
かつてエンチ議員は、ケアンズの北西、ケープ・ヨークに広大な農場、オリーブ・ベール牧場を経営していたことがあり、QLD州北部の農場の森林皆伐の強硬な支持者として知られている。一方、森林皆伐は土砂や土地の栄養分を川に流し込む原因であり、グレート・バリア・リーフ海域の甚だしい水質悪化の主因とされている。
特に、エンチ議員は、ケープ・ヨーク半島のキングベール牧場のために、同牧場の2000ヘクタールの森林の皆伐計画を政府に認めさせるよう働きかけてきた。この森林に降った雨は2つの川に流れ込み、200km下流のグレート・バリア・リーフに注ぐことになる。連邦政府が任命した専門家でさえ、この森林皆伐が行われれば土壌喪失でグレート・バリア・リーフ海域に流れ込むことになると警告している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙とエージ紙のインタビューに対してエンチ議員はキングベール牧場の森林皆伐を全面的に支持しており、「グレート・バリア・リーフ特別使節」の任務とは矛盾しないと語っている。
キングベール牧場の森林皆伐計画申請はスッサン・レイ新環境相が認可するかどうかを決めることになる。
5月選挙のライカート選挙区でエンチ議員と議席を争ったオーストラリア党のボブ・カッター議員は、「エンチ氏はQLD州北部の森林皆伐に熱心であり、森林皆伐を望んでいる人々はいずれも強力な自由党支持者だ。エンチ氏は非常に重大な利害の抵触を抱えている」と語っている。
先週、ABC放送のインタビューを受けたエンチ氏は、「リーフの大きな脅威は気候変動ではなく、プラスチック・ゴミだ」と主張していた。しかし、政府のリーフ専門家を含めて科学者はいずれも気候変動が最大の脅威だとしている。
■ソース
Coalition’s reef advocate backs massive tree-clearing plan