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豪経済、2008年世界金融危機水準まで減速

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10年ぶりに経済年成長率が1.8%に

 オーストラリア経済は減速を続けており、GDP成長率が遂に前年比で2%を下回った。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2019年第一四半期のGDP成長率は0.4%、また、前年1年間との比較では1.8%と2%を下回っており、2008年の世界金融危機(GFC)翌年の2009年第三四半期以来の低調さになった。

 賃金上昇が沈滞していることから世帯の消費意欲が減退し、消費を抑え、貯蓄に回すようになっている。そのため、連邦政府の支出と地下資源輸出でかろうじてGDPが支えられている状態になっている。

 四半期の0.4%という数字は2018年第四四半期の0.2%を上回っているが、市場の期待をはるかに下回っている。そればかりでなく、2018年第一四半期の1%成長に比べてもはるかに減速化が続いているといえる。しかも、移民による人口成長の影響を取り除いた「GDP実質成長率」は3四半期連続してわずかにマイナスになっており、「国民一人あたり計算で不況状態」が続いている。

 経済成長減速の大きな原因は世帯支出が鈍っていることで、2018年に比べてもさらに減退しており、世帯の裁量支出は家庭用品、レクリエーション、ホスピタリティ部門で落ち込んでいる一方で保険料、光熱費、医療費など非裁量支出が増えていて、合計して支出成長は昨年比で1.8%に留まっている。

 ただし、経済成長に対する世帯支出の寄与率は0.1%ポイントに留まっている。

 また、住宅建設部門が急速に冷え込んでいることもGDP成長率減速に拍車をかけており、住宅建設投資も記録的だった2018年後半から2.5%下落しており、GDPを0.1%ポイント引き下げている。

 ただし、政府支出は、医療、高齢者ケア、全国障害保険制度などでかろうじて増えており、総額の成長率は四半期で0.8%、年で5.1%となっている。

 キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ベン・ウディ氏は、「2019年は初めから荒れ模様だ。今日発表されたデータもオーストラリア経済見通しに期待を持たせてくれない。それに2019年も住宅部門の減速が続くことを考えると、前四半期の弱さは単発的なものとは思えない」と述べている。

 しかし、Citiエコノミストのジョシュ・ウィリアムソン氏は、「問題の一つは、経済全体に占めるシェアの比較で、企業利益の拡大に比べて世帯の所得がますます小さくなっていっていることだ」と述べている。
■ソース
Australia’s economy slows to levels last seen during the GFC

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