社会のすべての階層にわたって広がる問題
最新の犯罪統計によると、NSW州でパートナーや家族に殺害された人の数が前年に比べて倍増していることが明らかになっている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
警察の発表によると、ドメスティック・バイオレンス発生率はほぼ変わりないが、通報率が上昇していると見られる。また、過去12か月の殺人事件の男性被害者は14人に達しており、その前の12か月の殺人男性被害者5人から3倍近くになっている。
犯罪統計調査局(Bureau of Crime Statistics and Research)の新データによると、2019年3月までの12か月間のドメスティック・バイオレンスでの殺人事件被害者は38人にのぼっており、その前の12か月の19人から倍増している。
NSW州政府のマーク・スピークマン法務長官は、「州の殺人事件は減少傾向にあり、その中でドメスティック・バイオレンス関連の殺人事件が増えているのは深刻な問題だ。この統計に現れているのは単なる数字ではなく、生身の人間だ」と語っている。
また、殺害された女性は11人から15人に増えており、子供も前12か月の1人から7人に増えている。
14人の男性被害者の場合、パートナーに殺害されたのは3人だけで、11人は、成人した子供、親、ハウスメートの他、パートナーの現在または過去のパートナーなどが加害者になっている。スピークマン長官は、「この数字から分かるように誰でもドメスティック・バイオレンスの被害者や加害者になる可能性があり、ドメスティック・バイオレンスの前歴がない事件がほとんどだ」と語っている。
NSW州の殺人事件発生率は1年間で40%増えているが、これはドメスティック・バイオレンス関連殺人事件のために突出したもので、それ以外の殺人事件発生率は過去10年間緩やかに減少傾向を見せている。
■ソース
‘All sections of society affected’: NSW domestic violence murders double over the past year