収容所作家「収容者の自傷行為が増えている」声明
パプア・ニューギニアのマヌス島にあるオーストラリア領外難民処理センターに収容されている作家のBehrouz Boochani氏はスイスのジュネーブに招かれ賞を受けた。Boochani氏は、「マヌス島の収容者は希望を失っており、5月18日の豪連邦保守連合勝利以来、自傷行為が増えている」と語った。
一方、マヌス島のチャーリー・ベンジャミン知事は、マヌス島に残っている難民の速やかな島外移送をオーストラリア政府に対して要求している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
一方、豪政府内務省は、移送する収容者が適切な医療を受けられるようPNG政府と協力して作業を進めていると発表している。
マヌス島の警察も、収容者の自傷行為が増えており、警察の力でできることは限られている。PNG政府と豪政府が動いてくれないと困る。収容者が一人亡くなっても我々警察の評価と信用が損なわれることになる。このような状況に警察はどう対応すればいいのか。
また、地元民の間にも、収容所の問題が島の社会へのプレッシャーになってきているという考えが大きくなっていており、ベンジャミン知事は、「難民はこの島に居ることを望んでいない。オーストラリアが責任を取らなければならない。オーストラリアには難民をここから移す責任がある」と語っている。
連邦選挙前、労働党は領外難民処理センターを支持していたが、同時にニュージーランドが150人を引き受けてもいいと申し出ていたことについても、難民のニュージーランドへの移送を主張していた。保守連合はニュージーランドの申し出を一貫して拒否している。難民は労働党勝利に期待をかけていたが、その期待が外れたため、自傷行為が増えたと見られている。
Boochani氏と少人数のグループがマヌス島の難民のできごとを記録しており、「マヌス島の自殺未遂と自傷行為は50人ほどになる。また、一部はポート・モレスビーでも起きている」と語っている。
また、マヌス島のデビッド・ヤプ警察署長は、「PNGの機動部隊は暴力的というので悪評もあるが、最近の状況は機動部隊に頼むしかない。これまでのところ、部隊は抑制した態度で難民に接している」と語っている。
2019年2月段階でPNGには難民、非難民合わせて570人が居住しており、領外難民処理センターが2017年に閉鎖されて以後はマヌス島内を自由に動き回れるようになっている。また、一部はアメリカに移されており、豪政府は残りはPNGに定住しなければならないと主張しているが、Boochani氏は、「PNGは難民が定着して生活を始められる状況にはない」と反論している。
■ソース
Manus Governor demands action from Australia as Behrouz Boochani says self-harm has spiked