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今年もメルボルンの海で大型クモガニの大量移動

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釣りファンとダイバーの間で対立も

 VIC州のメルボルン市を抱えるポート・フィリップ湾を外洋から隔てるモーニントン半島の先端近くにブレアゴウリーの町がある。この町の海では毎年この季節になるとおびただしい数の大型クモガニが移動する。

 このクモガニを網で捕獲しようとする釣りファンが増えており、クモガニの移動を守ろうとするダイバーの間で対立が起きている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この大量移動の目的も行く先もまったく分かっておらず、動物の大量移動としては世界でも最大規模と知られており、BBCの「Blue Planet」で取り上げられて以来よく知られるようになっており、ブレアゴウリー地元民は、「カニを取りに来る人が増えている」と語っている。ただし、カニの数が絶滅に瀕するというわけではない。

 毎年冬になると何万という数の大型クモガニがポート・フィリップ湾の深みから浅瀬に集まり、殻を脱ぎ変えるために移動する。このカニの移動を見るために海外からもダイバーが集まってくる。

 1日の一人当たりのクモガニ捕獲数は30匹と規則で定められているが、クモガニ目当ての釣り師も増えており、このままではカニの数が減ることや毎年の大量移動に変化が起きることを懸念するダイバーが網を切ったり、カニを逃がしたり、あるいは釣りファン達と諍いを起こすことも報告されている。

 そのため、対立が手に負えなくなる前に自治体行政当局が何とかすべきだとの声も挙がっている。

 ダイバーで水中写真家のマット・テストニ氏は、「2,3週間ほど前からカニが集まり始めており、1万かそれ以上になる。そうすると釣り師がたくさんの網を持って集まってくる」と語っている。

 クモガニの大量移動が見られるのはブレアゴウリーだけではないが、大量移動が町の桟橋の下を通るため、釣り師にも釣りやすい状態になっている。そのため、テストニ氏は、「この町のクモガニの大量移動は保護措置をあってしかるべきだ」と語っている。

 そのため、「カニの移動期の捕獲を禁止し、1日の捕獲量上限も引き下げるべきだとする署名申請にも目標の1万人に近づいている。「テストニ氏は、何百人もの釣り師が網を降ろすため、カニの大群の90%ほどがすっかり消えてしまう」と語っている。

 ただし、名前の示すように、クモガニの脚は長く細く、身は泥臭くて食べられないと評されている。
■ソース
Giant spider crab popularity boom causes rift between Blairgowrie’s divers and fishers

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