1年半で20億本を回収し、各10セントを返金
日本でもかつてはコカ・コーラのガラス瓶を店に返すと10円の払い戻しを受けられた時期があった。オーストラリアではSA州に始まった飲料水容器保証金制度を北部準州(NT)も採用し、19か月前にはNSW州でも採用された。その結果、これまでに20億本が10セントの現金と引き替えられ、ゴミになったり、埋め立て地に行くかも知れなかったかなりの数のプラスチックやアルミの飲料水容器が直接リサイクル工場に運び込まれるようになった。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
最新の集計では1日に約400万本、総計で19億9,990本が回収されており、20億本目の瓶か缶は7月1日に回収所に持ち込まれたと推定されている。
リサイクル工場、クリーナウェイの固形廃棄物部のデビッド・クランシー・ジェネラル・マネージャによると、保証金制度が始まってから10億本に達するまでに1年が過ぎているが、次の10億本はわずか7か月で達成している。また、2019年だけで12億本から13億本が持ち込まれる見込みをはるかに上回り、18億本程度になると見込まれている。
クランシー氏は、「予想を上回る成績だ。保証金制度に参加している企業が販売した飲料水の約半数の容器が回収されている。年末までには30億本の大台に載ることも可能だ」と語っている。
マット・キーン・エネルギー環境担当大臣は、「州内645箇所に回収所が設置されており、当初の批判はすっかり鳴りをひそめている。制度は大成功だ。ゴミとなる容器が減り、他の商品に生まれ変わる空容器が増えた。街頭のゴミを減らす活動としてはNSW州の歴史で最大のものになった」と語っている。
イースタン・クリークにある合弁のリサイクル工場、トムラ・クリーナウェイは週7日稼働しており、22人の作業員が交代制で働いている。また、回収所から工場に持ち込むトラックだけでも200人のドライバーが働いている。また、この制度はリサイクリング産業で500人ほどの雇用を生んでいる。しかし、アルミ缶が外国に送られることなく、国内でリサイクルされるようになればさらに大勢の雇用が生まれることになり、アルミのリサイクルは、ボーキサイト採鉱から金属アルミ精錬までの作業と比較すると5%から10%程度のエネルギーしか必要としない。
キーン大臣によると、将来的には回収制度が全国に広がる可能性がある。
■ソース
‘Game-changer’: NSW scheme collects 2 billion containers in 19 months