7月2日の中銀理事会、政策金利を1%の水準に
オーストラリア経済は失業率の上昇と経済減速化という2つの問題を抱えて不況の縁に向かっており、中銀(RBA)理事会はその傾向にブレーキをかけるため、政策金利を歴史的な低水準の1%にまで引き下げた。
ABC放送(電子版)が伝えた。
RBAが2か月連続で利下げをしたのは2012年のヨーロッパ銀行危機以来初めてのことで、フィリップ・ロウRBA総裁は、「この利下げで失業率を引き下げ、インフレ率を2%から3%という目標範囲に引き上げる助けになるだろう」と語っている。
しかし、国内経済にとっては世帯の支出が伸び悩んでいることがもっとも大きな懸念であり、RBAは世界的にもリスクが拡大していることについて触れている。
7月2日の0.25%利下げは大方のエコノミストも予測していたことで、市場でもRBAの利下げの可能性が80%あるとしていた。
また、RBAは、「失業率4.5%は完全雇用にほぼ近い数値だ」という考えを明らかにしている。一方、その失業率も2019年初頭にはやや減って4.9%程度になっていたが、5月には5.2%まで上昇、一方、GDPは2%前後という、世界金融危機の影響で世界的に不況が広がっていった2009年の時期以来の低い数字になっている。
理事会閉会後の声明で、フィリップ・ロウRBA総裁は、「この利下げで失業率を引き下げ、さらにインフレ率目標に向けて経済の進展を促すことができる」と語っている。
■ソース
RBA cuts interest rates to new low of 1pc as it stares down slowing economy