43年前の事件、2年前に女性が告発
NSW州で起きたイバン・ミラットの連続バックパッカー殺人事件とNTで起きたブラッドリー・マードッックのイギリス人旅行者殺害事件に題材を取った2005年の豪スリラー映画「ウォルフ・クリーク」で主役を演じたジョン・ジャラット氏が1976年に起きたとする強姦事件で起訴されていたが、7月5日、シドニー地裁の陪審団はジャラット被告人に無罪の評決を下した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
告発した女性(当時19歳)は1976年にシドニー東部でジャラット氏とフラットをシェアしており、夕食から戻ってきたジャラット氏が女性を抑えつけ、強姦したとして、2017年に警察に訴えを出している。
告発までに41年かかったことについて、裁判で女性は、「誰も信じてくれると思わなかったからだ」と陳述しており、「抑えつけられて口を塞がれ、恐怖で体が凍りついた。ジャラット被告人は最後まで着衣のままで、息は酒臭かった」と証言している。
これに対して、ジャラット氏は、「女性の証言は夢想だ。強姦だったというのも嘘の証言であり、自然な成り行きで双方合意でセックスした。むしろ、女性の側から誘いがあり、自分はその誘いに乗り、セックスに至った」と反論している。
さらに、「女性の方が、私の妻、ローザ・ミアノが目を覚ますからセックスの間静かにしているように言ったくらいだ」と反論しており、「その夜は私は車を運転していたから飲んでいない」と陳述している。
女性は、2017年後半にジャーナリストから接触があるまで警察に訴えることはしなかった。その後、シドニーの新聞の一面で「強姦容疑」が報道され、ジャラット氏は「スキャンダラスなデタラメだ」と思ったと陳述している。
ジャラット氏は2018年に起訴されたが、警察での取り調べに、「悲しい、心痛む容疑だ」と答えている。また、ジャラット氏は、1984年に夫婦仲が危うくなった時にミアノ氏に1976年の「浮気」を告白している。また、「ウォルフ・クリーク」に共演した女優、カサンドラ・マグラー氏は、「映画ロケでもジャラット氏は暴力シーンに不快感を表明し、セットでは彼を全面的に信頼することができた」と証言している。
■ソース
John Jarratt of Wolf Creek fame found not guilty of rape by unanimous jury