ビーチサイドのゴミあさりで人間の排泄物からか
オーストラリアの海岸や町の公園などどこにでもいるカモメから抗生物質に耐性を持ち、現在、治療手段のない耐性菌、通称「スーパーバグ」が検出された。ビーチサイドなどで人間とカモメとの間でスーパーバグの感染が広まる可能性もあり、懸念されている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
また、研究チームは、カモメから検出されたスーパーバグも人間の残していったゴミからカモメに感染したのではないかと見ている。
Journal of Antimicrobial Chemotherapyに掲載されたこの研究は、WA州マードック大学の研究チームが中心となって行ったもので、オーストラリア原産のギンカモメの562個の糞サンプルから「人間の治療に重要な抗生物質」に耐性を持つ細菌がかなり一般的に見つかっている。
国内各地のかもめの20%以上から見つかった耐性菌は複数の大腸菌株で、病院や高齢者施設などで多く検出され、尿路感染症や敗血症を引き起こすタイプに近い。
また、この種の耐性菌は、人間の細菌感染症の治療に一般的なセファロスポリン系やフルオロキノロン系の抗生物質に耐性を持っている。
さらに、NSW、VIC両州のカモメからは、国内の病院での耐性菌感染で他の抗生物質が効かない時に用いられるカルバペネムに対する耐性を持つ菌が見つかっている。
また、WA州のコットスロー・ビーチのカモメからは、耐性菌に対する最後の手段とされるコリスチンに対する耐性を持つスーパーバグも見つかっており、カモメがこのようなスーパーバグを広げていくこと、さらに家畜や農作物を汚染する可能性も懸念されている。
■ソース
Australian seagulls carrying drug-resistant superbugs, study finds