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バズフィード、女性ジャーナリストが公開謝罪

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政治生命絶たれた女性元労働党議員に

 7月29日、シドニー都市圏西部リンゼー選挙区選出だった労働党連邦議員エマ・フサー氏が、オンライン・ニュース・アウトレット、バズフィードと同社の女性ジャーナリスト、アリス・ワークマン氏を相手取って起こした名誉毀損訴訟は、両者が和解に達して、訴訟が終了した。和解の条件は秘匿されているが、翌30日、バズフィードとワークマン氏が公開謝罪声明を発表し、また、フサー氏の訴訟にかかる記事を削除することに同意している。ワークマン氏は現在はオーストラリアン紙所属。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 問題の記事は、フサー氏が連邦議員だった時期にワークマン氏が執筆し、バズフィードが公開したもので、「フサー議員は、他の議員や職員とセックスしたことを自慢する尻軽女だ」などの内容になっている。

 7月29日、フサー氏が声明を発表し、「記事は女性に対してこれ以上ないほどの公開侮辱だ。自分や子供達のためだけでなく、自分と同じような目に合わないよう全ての女性のために訴訟を起こした。このようなことはもともとあってはならないことだった」と述べている。

 フサー氏が訴訟を起こした当時、ワークマン氏の記事を「ジャーナリストの仕事」として擁護する女性ジャーナリストも多かったが、30日の謝罪文は、「記事を発表する前にフサー氏からも取材し、反論の機会を提供すべきだった」と述べており、ワークマン氏がフサー氏の職員など周辺の証言だけで記事を書いたことを認め、「フサー氏とその家族に与えた心の傷と苦痛に対して謝罪する」としている。ただし、バズフィード側は、「仲裁を受け、責任を認めることなく、記事を削除する」と述べている。

 また、バズフィードは、「フサー議員事務所の元職員が起こしたフサー議員のブリーイングなどの申立について、NSW州労働党が関係者から事情聴取した際のフサー議員宛の機密信書が何者かによってバズフィードに漏洩され、その信書の内容を記事にした」と述べている。

 しかし、記事発表後に労働党内部調査はブリーイングについてもセックス関係の問題にしてもすべて事実無根であり、フサー氏が議員を辞職する理由はないと結論している。これに対して、バズフィード側は、「元職員の申立内容を公表することが公共の利益にかなうことと判断した」と主張している。

 バズフィードの記事を原因として2019年5月の選挙不出馬を決めたフサー氏は、「この1年間は私の人生で最悪の時期だった。自分を支えてくれてきた信頼できる友人には非常に感謝している」と述べ、また、3人の弁護士チームにも感謝の言葉を述べている。

 フサー議員は、2018年12月の連邦議会で、「ワークマン氏は、2018年8月2日午前9時33分に最初のもっとも名誉を毀損する記事を公開した。その中でワークマン氏は、私にコメントを求めたと書いているが、その事実はない。さらに、午前9時34分に、ワークマン氏は、既に発表した記事に関して48項目の質問に答えるよう求める電子メールを送ってきたが、時既に遅しだった」と述べている。

 フサー氏は、「今後、女性がこういう攻撃を受けないようにするために力を尽くす」と述べている。
■ソース
BuzzFeed apologises to Emma Husar for ‘hurt and distress’

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