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バイオセキュリティ専門家、ヒアリの侵略を警告

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既にQLD州南東部を越えて広がる勢い

 バイオセキュリティの専門家が、南米原産の侵略性と毒性の強いヒアリがQLD州南東部地域を越えて次第に広がる勢いを見せており、手をつけられなくなる可能性があると警告している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 貨物に紛れ込んでオーストラリア大陸に運ばれてきたとみられるヒアリは州南東部で最初に巣が見つかっており、4億ドルを投じての駆除プログラムが進められたが、バイオセキュリティQLD関係者が、このままでは撲滅が不可能になると警告している。

 ヒアリは、ブリスベンの西側に設定されていたガットン包囲線を越えた地域からも見つかり始めているが、何千件というヒアリ目撃報告を州農業省職員が確認するのに何週間も要するため、駆除作戦も後手後手に回っており、省から請負ってヒアリの調査を行っているジエイミー・バーコー氏は、「このプログラムはヒアリ駆除プログラムと呼ばれているが、実のところ甘い金づるプログラムになってしまっており、こうしている間にもヒアリはどんどん広がっている」と省中間管理職を批判している。

 しかし、National Red Imported Fire Ant Eradication Programのジェネラル・マネージャ、グレアム・ダッジョン氏はこの批判を激しく否定している。

 ヒアリは2001年に初めてブリスベンで発見され、それ以降、南下し、古代火山のシーニック・リムやゴールド・コースト地域でも発見されている。

 バーコー氏は、「ヒアリは仔牛や小型の野生動物を殺す力があり、作物に被害を与え、収穫を阻害する可能性もある。ガットン地域の人達は不安になっているに違いない。あのあたりの灌漑用水の網を考えると、ヒアリはもう阻止することができなくなる」と語っている。

 ABC放送によると、ブリスベン南のローガンでも新住宅地域で巣が見つかっており、バーコー氏が6週間前に農業省に報告したのに未だに駆除が行われていない、と報道している。

 しかし、農業を営むジム・ウィルモット氏は、QLD州でもNSW州でもバイオセキュリティの仕事をしたことがあるが、「既にヒアリの広がりを阻止する段階ではなくなっている、もう負け戦になっている」と語っている。

 ヒアリの駆除は巣に直接殺虫剤を流し込む方法が取られる。また、ヒアリに刺されると激痛がある他、人によってはアナフィラキシーを起こし、死にいたる場合がある。
■ソース
Biosecurity insider warns fire ants spreading past south-east Queensland detection zones

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