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アメリカの石油備蓄をあてにするオーストラリア

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国内備蓄量は最低基準の90日に62日不足

 オーストラリアの石油備蓄量が国際協定による最低基準の3か月、90日を大幅に下回る28日分しかなく、足りない時はアメリカの備蓄をあてにするということが報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 保守連合連邦政府のリンダ・レイノルズ国防相は、「国内に90日分の備蓄量を満たすだけの石油を買うよりも、アメリカからの緊急供給を求める」との考えを明らかにした。

 さらに、「我が政府はアメリカ政府とこの件について建設的な協議に入っており、アメリカの戦略的石油備蓄から供給を受ける可能性を探っている。それができれば、我が国の備蓄量が飛躍的に増えるだけでなく、柔軟な供給が可能になる」と語っている。

 アメリカの戦略的石油備蓄は何千万バレルもの石油がアメリカ国内の地下に蓄えられており、緊急石油供給量としては世界最大規模。

 8月4日、レイノルズ上院議員とマリス・ペイン外相はアメリカの国防長官、国務長官と会合をしており、アメリカのミサイルをアジア太平洋地域に展開することも話し合われた。

 オーストラリアがアメリカの石油備蓄から供給を受ける場合の石油価格についてはまだ明らかではないが、アンガス・テイラー・エネルギー相は、「国内に62日分の追加石油備蓄施設を建設するよりははるかに安上がりだし、この考えもコスト削減を考えてのことだ」と語っている。

 しかし、保守連合政府の考えに対して「国家安全保障は経済的要因だけではない」との批判もあがっている。

 オーストラリア国内の4箇所の石油精製所では国内運輸の必要量の約半量しか供給しておらず、残りの半量は中東やアジアからの精製石油類の輸入に頼っており、海上輸送路が中断された場合には28日で供給が滞ることになる。

 オーストラリア海員組合(MUA)のパディ・クラムリン全国書記長は、「保守連合政府の対策には欠陥がある。外国の燃料備蓄から供給を受けるというが、戦略的なタンカー船団も用意していないのにどうするのか? 」と批判している。

 オーストラリアはアメリカとの軍事同盟に基づき、アメリカとイランの間の緊張対立を受け、イランによる石油輸送路遮断を防ぐため、ホルムズ海峡の警備に出動する可能性もある。
■ソース
Australia looks to access US fuel reserves to shore up supplies amid Persian Gulf tensions

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