QLD州南東部のユーカリ森林75ヘクタール伐採
8月13日付ABC放送(電子版)は、連邦環境省が省自身の方針に違反し、QLD州南東部ブリスベンの西、イプスイッチ付近の75ヘクタールのコアラ棲息地の住宅開発を認可していたことを伝えた。
オーストラリア自然保護財団(ACF)が、情報の自由法(FoI)に基づいて入手した資料によると、イプスイッチ地域の2箇所の住宅開発認可は、環境省自身の「環境補償」方針とは一貫性がないことを明らかにしている。
しかし、2018年1月、同省は、「すでに認可が与えられている他のプロジェクトと認可の一貫性を持たせるため」に75ヘクタールの伐採開発を認可している。
ACFのアンドリュー・ピコーニ氏は、「一貫性では理由にはならない。コアラは脆弱種に登録されており、現実に絶滅のおそれもある。もし、このままコアラの棲息地を破壊し、最低限の環境補償義務さえ適用しないなら、コアラは世間の人が考えているより早く絶滅することになる」と語っている。
ABCテレビ放送の「7.30」で、豪国立大学(ANU)の環境学者、フィリップ・ギボンズ博士も、「環境省は自分の任務を果たしていない。政府の環境省そのものが、コアラのような絶滅の危険にある種を守ろうとしなかったり、守る力もないとしたら、非常に気がかりなことだ」と語っている。
1232戸の住宅を建設する2つの住宅開発で民間(SLC)と国防省関係(DHA)の開発業者は18か月にわたり、環境補償の適正値を得るために交渉を続けてきた。
SLCは、コアラ棲息地の46.2ヘクタールを破壊する補償として7km離れたスプリング・マウンテンの89.5ヘクタールの保存を決めており、これに対して環境省は、「将来の補償案では省の補償方針と一貫性がなければならない」として、補償面積が十分でないことを示している。
DHAの場合、ディービング・ハイツの開発の補償として20km離れたピーク・クロッシング付近の、QLD自然トラスト(QTFN)が所有する地所の54ヘクタールの保存を提示している。連邦環境省は、これについても「これまでの補償方針との一貫性に欠けるとしながらも、補償計画の認可を勧告している。
ピコーニ氏は、「このような交渉が非公開で進められ、情報の自由法に基づく手続きを取らない限り、公開されることがないというのは非常に問題だ」と語っている。
■ソース
Koala habitat cleared for housing development against Environment Department’s offset policy