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「慈善団体エンジェル・フライトの事故率は通常の7倍」

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豪州運輸安全局が営業航空利用を勧告

 SA州マウント・ガンビアで慈善団体「エンジェル・フライト」の軽飛行機が離陸直後に墜落し、3人が死亡した事故を調査していた豪州運輸安全局(ATSB)は、同団体の事故率が他の民間航空の7倍にのぼると報告している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 エンジェル・フライトは不急の医療処置などのためにボランティアのアマチュア・パイロットが患者やその家族を医療機関に運ぶ慈善団体だが、2011年と2017年に墜落事故を起こしており、航空安全当局の規制を求める声があがっていた。

 2017年6月28日、SA州南東部マウント・ガンビア付近でグラント・ギルバートさん(78)の操縦する軽飛行機が厚い霧の中を地方空港から離陸し、その直後に2km離れた牧場地に墜落、ギルバートさんと、乗客のエミリー・レディングさん(16)、トレーシー・レディングさん(43)が死亡した。

 墜落した飛行機には厚い霧の中を飛べる計器を備えておらず、そのような気象条件で飛ぶことはできなかった。ATSBの調査の結果、さらに事故に至る過程が詳しく解明された。

 報告書は、医療患者を運ぶことのプレッシャーがパイロットの危険な操縦行為につながるとしており、「他の民間航空と比較すると、エンジェル・フライトのコミュニティ・サービス飛行では飛行計画やナビゲーションで一般民間航空よりもエラーの率が高くなっていた。このようなエラーは死亡事故につながる徴候であり、エンジェル・フライトの2回の事故でもそれが見られた」と述べている。

 2011年にVIC州ホーシャム付近で起きた飛行機死亡事故でもパイロットの他、母親とティーンネージャの娘が亡くなっている。

 ATSBは、エンジェル・フライトに対して、「パイロットに燃料費として支払う金で患者と家族の2人の航空券を買うことができるのではないか。その方がはるかに安全だ。マウント・ガンビアの事故の日にも一般民間航空を利用することができていた」と述べている。

 また、「ギルバート氏は尊敬を受けているビジネスマンで、2年の飛行経験があるが、雲の中を飛ぶのに必要な経験を持っていなければ、劣悪な視界の中では容易に空間失見当識になることが実証されている。エンジェル・フライトはボランティアに無理な飛行を強制はしていないが、患者の病状が思わしくなく、急いで病院に運ばなければならないなどの心理的なプレッシャーで能力を超えた状況で操縦し、プレッシャーがさらに判断を阿山競ることになる」と述べている。

 マウント・ガンビアの事故の後、民間航空安全局(CASA)は、コミュニティ・フライトのパイロットには最低250時間の飛行経験を義務づける最低安全基準を新設した。
■ソース
ATSB investigation into plane crash which killed three raises concerns about Angel Flight

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