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民間部門の賃金上昇率依然低迷

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公務員賃金上昇が統計数字押し上げ

 豪統計局(ABS)の労働者賃金統計で、民間部門の賃金上昇率が依然低迷を続けており、公務員の定期昇給が平均賃金上昇率を押し上げていることが伝えられている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 8月14日に発表されたABSの数字によると、2019年第二四半期の賃金物価指数は0.6%上昇し、年間賃金上昇率は2.3%になっている。

 公共部門は同四半期に0.8%、年間賃金上昇率は2.6%になっているが、その主要な原因はVIC州の同四半期の公務員給与が1.5%上昇しており、年間賃金上昇率が3.7%になっていることが挙げられる。それに比べて民間労働者の賃金上昇率は0.5%と2.3%にとどまっている。民間部門の賃金上昇率がもっとも低かったのは北部準州で年間上昇率は1.6%にとどまっている。

 また、両部門合わせて年間賃金上昇率がもっとも高かったのは2.9%のVIC州、逆にもっとも低かったのはWA州が過去3四半期で1.6%となっている。

 フィリップ・ロウ中銀(RBA)総裁は、州・準州・連邦政府に公務員給与の引き上げを要求しているが、現実に給与上昇率が高まるのは何年も先のことだろうと認めている。

 ABSのブルース・ホックマン主任エコノミストは、「この四半期の賃金上昇率でもっとも大きかったのは公共医療と社会福祉部門の公務員で、VIC州政府が他の州との均衡を回復するとして大型昇給を決めたことが原因になっている」と述べている。

 公共医療部門の賃金上昇率は年間3.3%になっており、もっとも低かったのは卸売り部門の1.7%。

 一方、中銀のロウ総裁は、先週に連邦議会調査委員会で証言し、「賃金上昇率は年間3.5%に迫る率が望ましい。中銀は、経済成長を促進するため、政策金利を引き下げた。この経済成長で賃金上昇を期待している」と述べている。

 この8月、ウェストパック銀行の消費者信頼感指数が驚くほど伸びており、6月7月に合わせて4.7%落ちていたが、その後、8月には3.6%上昇している。
■ソース
Private sector wages flatline while one public industry boosts pay statistics

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