少雨の冬が3年連続し、湿度が2013年を下回る
シドニー地域は3年連続で乾燥少雨の冬が過ぎようとしており、湿度は2013年の大ブッシュファイア前よりも低くなっている。
2019年8月12日までの2週間の樹木と草の水分量は小さく、シドニーを取り巻く地域の湿度がかなり低くなっており、特にシドニー地域北西部とブルーマウンテンが乾燥地域になっている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
NSW州郡部消防局(RFS)では、このような乾燥条件が広がっていることから、州内の森林地域ではブッシュファイアの危険が高まる時期が早まり、9月1日から始まると予想している。
人工衛星画像のデータをまとめてシドニー地域の乾燥条件を調査したウェスタン・シドニー大学の火災生態学講師のレイチェル・ノーラン氏は、「シドニー盆地全域で乾燥している。生きている植物が乾燥するとさらに激しい火災がさらに頻繁に起きることになる」と語っている。
ただし、消防局も研究者も、森林や草地が乾燥しているだけでは大規模なブッシュファイアが起きるとは限らない、ブッシュファイアに適した気象条件と適した引火点にならなければならないとしている。
シドニーの場合、3年連続で乾燥少雨の冬を過ごしてきたが、2017年と18年の春には大規模なブッシュファイアを避けることができた。激しい気象を招く強い寒冷前線やその前触れとなる北西風が今年はほとんど現れていない。
ブッシュファイアの燃料となる植物の水分の平均含有量は2018年よりも少し高いが昨年と同じように減少傾向にある。また、ブルーマウンテンその他の地域で大火があった2013年に比べても高い。
研究チームは、死んだ植物よりも生きている植物の水分含有量を緊密に調べており、その方がブッシュファイア燃料の状況を正確に判断できるとしている。
RFS広報担当官のベン・シェパード氏は、「今年は昨年よりましだが、それでも次第に昨年のレベルに近づいている」と語っている。
■ソース
‘Rolling the dice’: Sydney faces challenging fire season, charts show