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シドニーのサンドイッチボード活動家裁判却下

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「CVNTは挑発的だがわいせつ語ではない」

 元ストラスフィールド市会議員で、政治的発言をサンドイッチボードに大書して町を歩くシドニーの名物男、ダニー・リム氏(75)の裁判が審理却下された。同氏が「CVNTわいせつ語」容疑で逮捕され、その場で罰金を言い渡されたが、リム氏が無罪を主張して争ったために裁判に持ち込まれた。リム氏が「わいせつ語」裁判で勝利を獲得するのは2度目。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 チワワのスマーティ(15)を連れてサンドイッチマン風に町を歩く白ヒゲのアジア人、リム氏はその時々にウィットに富んだ言葉を書いて現れるシドニーの名物でファンも多い。過去2回の裁判でも各$500の罰金がすぐに集まっているが、いずれも勝訴しており、罰金を払う必要もないまま来ている。

 リム氏は、2019年1月、バランガルーでサンドイッチボードに「Smile cvn’t! Why cvn’t?」と書いて歩いていたところ、市民が警察に通報、駆けつけた警察官に逮捕された。リム氏逮捕の知らせはすぐに町中に広がり、一般市民が抗議に押し寄せる一幕もあった。

 シドニー市内ダウニング・センター地裁の法廷では、日常生活で「cvn’t」がわいせつ語か、そもそも「cunt」がわいせつ語かが争われ、ジャクリン・ミレッジ簡裁判事は、警察官の対応を批判し、リム氏のサンドイッチボード文面は違法と解釈すべきではないとして、「挑発的でいたずらっぽいが、わいせつではない。法律は仮定的な道理をわきまえた人物の視点で考えられており、言葉にことさら過敏に反応するような人物を考えていない。一般生活で出会う下品な事柄にも問題なく対応できるしっかりした人物の視点で考えるべきだ」と語っている。

 裁判でリム氏は、「警察に対しては最高の敬意をいだいている。また、自分のサンドイッチボードで金を得ているわけではない。オーストラリアは私にチャンスを与えてくれたし、私も幾分かお返しをしたいと思っている」と述べている。

 検事は、「リム氏は学校休みのバランガルーでサンドイッチボードを着けて現れたが当時のバランガルーは人が多かった」と陳述していた。

 証言で、通勤途中の女性の通報で警察官が駆けつけたことが明らかにされ、また、警察官が通行人やリム氏について、「fucking pathetic」、「social justice idiots」、「full of shit」などの言葉を使っていたことが警察官自身のボディ・カメラに記録されていた。

 これに対して、ミレッジ判事は、「警察官の発言はまったくひどい。下劣だ。そのような態度は現代の警察官にあるまじき態度だ」と厳しく非難している。

 リム氏は2015年にも、トニー・アボット連邦首相(当時)に向けて、「PEOPLE CAN CHANGE TONY YOU CVN’T」のサンドイッチボードで歩き、逮捕されたが、やはり無罪を獲得している。
■ソース
Sydney sandwich board activist Danny Lim wins court battle over arrest for offensive behaviour

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