異常な数で連邦裁が同判事の一審判断覆す
アレグザンダー「サンディ」ストリート連邦巡回裁判事に提出された保護ビザ申請は99%却下されており、申請者に有利な判決の平均10%という値のさらに10分の1という厳しい結果になっていることが明らかにされた。
しかも、ストリート判事に却下され、連邦裁に控訴された案件では91件がストリート判事の判決を覆している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ストリート氏が巡回裁判事に任命された2015年1月から2019年3月までの間にストリート判事が担当した844件の「難民認定希望者の移民局判断控訴」で同判事は830件を却下している。
ABC放送番組「Background Briefing」は、マコーリー大学のダニエル・ゲゼルバシュ博士の率いる「社会正義クリニック」プロジェクトが実施した、複数の連邦巡回裁判事の統計データベース分析結果を取材した。
通常、連邦巡回裁は10%程度の率で難民認定希望者に有利な判決を下しているが、ストリート判事の場合に限り1%をわずかに超える程度の率だった。ゲゼルバシュ博士は、「判事により多かれ少なかれ判決に違いはあるが、このような大きな違いが現れた原因を調べるためにはもっと調査を続けなければならない」と述べている。
また、「このデータを使って各判事の判決の信憑性を不当に引き下げてはならないし、判決過程に何か非道なことが行われていると考えるのも間違っている」と警告している。
また、「Background Briefing」の調べで、ストリート判事の判決のうち、91件が連邦裁で覆されており、その27件でストリート判事が難民希望者に対して不当に公平な訴訟手続きを妨げたと判断されている。
同番組に対して、連邦巡回裁判所広報担当官が、「ストリート判事は再指導を受けている」ことを明らかにしている。
NSW大学のガブリエル・アプルビー法学教授は、「判事の言動に対する苦情の扱いは不透明なところがあり、訴えた後で何が行われているかまったく分からないままになる。また、懲戒権も存在しない。判事を裁く制度が喫緊に必要とされている」と語っている。
■ソース
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