強制送還をめぐって内務省と支持団体の攻防続く
タミル人家族は、一旦強制送還の手続きが済み、飛行機が飛び立ってから裁判所の強制送還差し止め命令が出され、飛行機が途中で引き返す事態になった。
その後、家族の年下の娘の永住権を巡って保護申請が出されており、裁判所が短期の在留許可を出している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
QLD州ビロエラの町で3年間を暮らしたタミル人夫婦にはオーストラリア国内で生まれた2人の娘がおり、法制の技術的な問題で弁護士が永住許可を獲得しようとしており、ビロエラ住民や全国の一般市民を巻き込んで人道措置を求めている。一方、政府は法律を盾にとって、「この家族は移民局の審査で難民認定を却下された。この家族だけ特別待遇するのでは不公平になる」として、デビッド・コールマン移民相の大臣権限による介入も拒否している。特に、家族の父親がスリランカ内戦期にスリランカとアラブ地域をパスポートを使って何度も往復していた記録があり、難民関係の弁護士も「認定は難しい」としている。
強制送還差し止め命令でクリスマス島の収容所に移された家族は9月4日の審理で9月6日まで審理が延期され、6日の審理で連邦裁判事が、「移民相は、年下の娘の保護申請を却下する妥当な理由を裏付ける証拠をさらに提出するよう」命じ、連邦政府の証拠提出まで、家族の在留認可を延長した。
9月18日に連邦政府が証拠を提出すればその時点で本審理開始の日取りが決められることになり、その本審理が終わるまで家族はオーストラリアに留まることになる。
強制送還差し止め命令は年下のタルニカアちゃん(2)のみに適用されるが、同時に裁判所は4人の家族を引き裂くことはしないとしている。
■ソース
Tamil family from Biloela to remain in Australia for 12 more days as deportation fight continues