キングス・クロスの門限は維持保守連合政権が発表
グラディス・ベレジクリアン保守連合NSW州政府が、「シドニー繁華街の飲酒店閉店時刻を決めるロックアウト法を緩和し、シドニー都心部のパブやクラブなどについては適用を廃止する。ただし、キングス・クロスについては引き続き門限を維持する」と発表した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ロックアウト法については、パブ、クラブなどの酒類提供店、酒類提供店に依存している労働者、ミュージシャンなどの猛反対があったが、キングス・クロスに近く、暴力事件の被害者が救急車で運び込まれるセント・ビンセント病院ではロックアウト法施行以来アルコール関連の暴力事件での死者がゼロになっていることが調査委員会での証言で明らかにされていた。
ベレジクリアン州首相は、「シドニー市の夜間経済の雇用を増やし、経済を活性化するためにはロック・アウト法を大幅に緩和しなければならない」と発表している。
この発表に対して、セント・ビンセント病院が、「残念なことだ。救急隊や病院職員がその結果を拾い集めることになるだろう」と語っている。
同法緩和でキングス・クロスを除き、オクスフォード・ストリートを含むシドニー市内歓楽街の午前1時30分という門限が廃止されることになる。
2010年代、シドニー市内やキングス・クロスでは夜遅くにアルコールや薬物で酩酊した者が通行人にケンカをふっかけたり、すれ違いざまに突然暴力をふるう事件が相次ぎ、キングス・クロスでは、「卑怯パンチ」と呼ばれるすれ違いざまの殴打でトーマス・ケリー、ダニエル・クリスティーという2人の若者が命を落としている。また、セント・ビンセント病院の救急病棟に運び込まれる暴力被害者が増えており、2014年にロック・アウト法が施行された。
ベレジクリアン州首相は、「シドニー市の雇用のためには夜間経済復活も必要だが、同時に社会の安全も常に最優先課題だが、現在は雇用を強化することを考える時だ。シドニーは国内唯一の国際都市であり、ナイトライフは欠かせない。また、夜間もライト・レールその他の公共交通機関で市民の安全を図りたい」と語っている。
シドニー市の夜間経済に関する州議会合同調査委員会の報告書が間もなく提出される予定になっている。
■ソース
Sydney’s lockout laws set to be wound back across CBD but Kings Cross still under curfew