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NSW州議会で国内最後の妊娠中絶合法化成立

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上院での修正案盛り込み下院で圧倒的多数賛成

 妊娠中絶合法化法案は、上院でいくつかの修正案を盛り込まれ、25日夜に26対14で通過、26日朝には下院に差し戻されてきており、そのまま下院で賛成多数で通過、成立した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 オーストラリア国内で最後まで残っていたNSW州の妊娠中絶禁止法に対する合法化法案は州議会下院を通過していたが、グラディス・ベレジクリアン保守連合州政権は保守連合内の同法案に反対する保守派議員をなだめるため、上院での審議を遅らせていた。その結果、NSW州議会史第三番目という長時間審議の後、反対派から出されていた4つの修正案を可決し、同法案に盛り込むことで反対派議員の多くが賛成に回り、法案は上院を通過した。

 9月26日、NSW州議会下院は修正案を盛り込まれた妊娠中絶合法化法案を投票ではなく、発声で賛否を問い、多数の賛成で成立させた。

 下院のこの採決にはベレジクリアン州首相が欠席しており、後に、「私は州首相の任務で忙しかった。もし賛否が拮抗していたなら議場に駆けつけるつもりだった」と語っている。

 この法案成立により、妊娠中絶は刑法から削除され、医療行為として扱われるようになる。

 法案に最後まで反対していたカソリック教会は、「NSW州にとって暗黒の日であり、人間性の敗北」と声明しているが、女性が自分の運命を自分で決める権利を要求してきた人々は州議会の議員も、また一般社会でも、オーストラリア国内全ての地域で妊娠中絶が犯罪とされなくなったことを祝った。

 同法案は、2019年7月にアレックス・グリニッジ無所属議員とペニー・シャープ労働党議員が共同で提出していた。タニア・デービーズ自由党議員は強硬な反対派だったが、4つの修正案が盛り込まれたことで「かなりいい法案になった」として法案に賛成した。

 この法案に対しては、バーナビー・ジョイス連邦国民党議員やトニー・アボット元自由党連邦首相ら強硬保守派が宗教保守派市民の反対運動で演説するなどしていた。しかし、自由党、国民党議員も多くが法案を支持していた。
■ソース
Abortion decriminalised in NSW as controversial bill passes final vote

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