ビデオに警察幹部は批判し、アボリジニ長老が擁護
SA州の非番の警察官が、逃げるウォンバットを追い回し、石で叩き殺す一部始終を警察官の仲間と思われるドライバーがビデオに撮っていた。ビデオはその後、ウォンバット保護団体のフェースブックに投稿された。SA州警察幹部はこの警察官を厳しく批判しているが、アボリジニ長老が警察官の行為を擁護している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
「Wombat Awareness Organisation」のフェースブックに投稿されたビデオでは、上半身裸の男性が車のヘッドライトに照らされているウォンバットを追いかけ、石を投げつけている。この男性はSA州警察がABC放送に対して、非番警察官のウェイロン・ジョンコックと名前を明らかにしている。また、ABC放送はビデオの最後の部分をカットしており、その部分にはウォンバットが路上に倒れ、ジョンコック警察官がその頭を石で何度か叩き、ウォンバットが完全に動かなくなるところが映っており、ビデオを撮影している車のドライバーが、「ジョンコックがウォンバットを殺した」と語っている。
グラント・スティーブンズ州警察長官は、「今朝、ビデオを見た。全くおぞましい行為であり、容認できるものではない。この事件で一般社会から非難が出ていることを知っている。このようなことは州警察官のするべきことではないし、一般社会の基準に照らしても許されることではない」と語っている。
ジョンコック警察官はアボリジニであり、ポート・リンカーンのウィラング=コカサの長老、ジャック・ジョンコック氏がABCエアー・ペニンシュラ局のインタビューに答え、「石を投げてウォンバットを殺すのは地元アボリジニが食料としてウォンバットを捕る方法の一つだ。離れたところにいて批判するのは簡単なことだ。しかし、これは私達の文化であり、何千年も続けてきたことだ」と、警察官の行為を擁護している。
「Wombat Awareness Organisation」は、アデレード・ヒルズでウォンバット・サンクチュアリーを運営している団体で、「たとえアボリジニでも、ウォンバットを石で殴り殺すことを禁止するよう」求める署名を集め始めた。
コリー・ウィンガード警察相も、「この男性の行為は容認されるものではない」と語っているが、問題の警察官の懲戒処分については一切触れていない。一方、動物虐待防止協会(RSPCA)は事件をSA州警察に持ち込んでおり、独自に調査を始める発表している。
■ソース
Video of SA Police officer hitting wombat with rocks is ‘abhorrent’ and ‘detestable’, Commissioner says