「オーストラリアでは移民がゲットー化している」

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ハンガリー移民問題サミットでダウナー元外相が発言

 2019年3月、元豪外相のアレグザンダー・ダウナー駐英豪高等弁務官が、ハンガリーでの「移民問題サミット」に出席し、「オーストラリアでは移民がバンツースタン風のゲットーをつくっている」と発言していたことが明らかにされた。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 (訳注: バンツースタンは、アパルトヘイト下の南アフリカから隔離した国境を設け、アフリカ人の自治政府を置いた「アフリカ人の祖国」だが、もともと南アフリカの白人政府が資金を出してつくったアフリカ人隔離の制度であり、「移民が自らオーストラリア社会から閉ざしている」というダウナー高等弁務官の比喩は正しくない)。
 現在のハンガリー政府は排外主義的な右翼政権とされており、ダウナー氏の発言も今年3月の発言当時には何の話題にもなっていなかった。同氏はさらに難民にも矛先を向け、「オーストラリアで一時的な保護を求めるのではなく、永住を要求しており、オーストラリアの国家体系を揺るがせている」と発言している。

 ブダペストのマシアス・コルビヌス・コレギムで講演したダウナー氏は、さらに、移民にそれぞれの生活様式を保存させる体制よりもホスト社会への強制的な同化を称賛し、「移民を受け入れるなら受け入れる社会に同化させたいだろう。移民を受け入れるためにオーストラリア文化そのものも変わるべきだとする自由主義左翼の意見には賛成できない。むしろ、我が国に入ってくる移民は我が国の社会に同化するよう努めるべきであり、隔離したゲットーをつくるべきではない」と語った。

 また、難民についても、「オーストラリアは一時的な保護を与える義務はあるが、迫害から逃れる間の一時的な保護であり、平和が回復すれば自国に帰るべきだ」と語っている。

 このサミットにはトニー・アボット元連邦首相の国際問題顧問だったマーク・ヒギー氏やQLD大学のジェームズ・アラン法学教授も出席していた。

 この会議にはハンガリーの超保守派政権のオルバン・ビクトル首相やニコラス・サルコジ前仏大統領、バツラフ・クラウス前チェコ大統領らも出席した。
■ソース
Alexander Downer said migrants in Australia were setting up ‘Bantustan-style ghettos’

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