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シドニー都市圏でサイクリストの負傷事故増加

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「サイクルウェー区間廃止や実施延期」と市長が苦情

 シドニー都市圏のサイクリストの死傷事故が増えており、長期的には自転車利用状況は悪化していると伝えられている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 交通安全センターによると、シドニーでは2018年1年間にサイクリスト1100人が交通事故で負傷しており、2019年の10月現在までに11人が死亡している。

 このようなサイクリストを取り巻く危険な交通条件のために自転車利用者が徐々に減っており、特に子供と女性のサイクリストが減っている。

 NSW州は、女性のサイクリストは20%未満で国内最低水準となっており、女性サイクリストの率は都市のサイクリング環境を示す指標になっている。海外のサイクリング環境の良い都市ではサイクリストの男女比が半々というのが一般的である。

 クロバー・ムーア・シドニー市長は、「シドニー市内のサイクリング車線は撤去されたり、変更されたり、また設置計画が10年以上も延び延びになったりしており、延長は完全に止まっている。2004年に市内の自転車道を相互接続するキャンペーンが始まって以来、歴代のNSW州政府道路相、保守派ラジオ番組ホスト、超保守コラムニスト、ドライバーなど、いずれもサイクルウェーに対して敵対的な態度を続けてきた。彼らは道路が公共の財産であり、自動車の専有物ではないことを忘れているようだ。サイクリング・インフラストラクチャは無視されているのではない。むしろ積極的に妨害されているのだ」と語っている。

 1970年代、若年者の4人に3人は徒歩、自転車、公共交通で学校や大学に通っていたが、現在、徒歩や自転車で学校に通っているのは4人に1人しかいない。

 ディーキン大学の衛生社会開発学部の主任講師、ジャン・ギャラード博士は、「子供が自転車通学しなくなった最大の理由は交通安全にある。子供の通学手段を決めるのはほとんどの場合母親だが、オーストラリアでは男性に比べて女性のサイクリストが少なく、従って、子供も自転車に乗らなくなる」と分析している。
■ソース
Cyclist injuries reach record high as families fight for bike paths

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