歩行者、車両、自転車などのニアミス後絶たず
シドニーのライト・レールのセントラル駅からサーキュラキーまでの区間は12月の営業開始に先立って連日運行計画通りの慣らし運転を始めるが、トラムに慣れていない歩行者、自動車などの車両、自転車がトラムの直前を横断、駐車の間から飛び出す、信号待ちで線路をまたいで停車するなど、トラムとのニアミスが後を絶たず、ライト・レール開発当局では、「悲惨な事故が起きて欲しくない」と、市民に安全通行を呼びかけている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
ライト・レールのサーキュラキー線とランドウィック線は12月から開業する計画で、それに先だってこれから2週間以内に開業後の4分から6分ごとの運行計画通りにトラムを走らせることになっている。
また、NSW州政府は、シドニー南東部のバス路線の大幅変更を、ライト・レール・キングスフォード支線から4週間か6週間後まで延期するとしている。
ランドウィックからサーキュラキーまでの区間では12月初めの開業に備えて、トラム12編成以上を使った運転士の習熟運転を行っている。
NSW運輸局のマージ・プレンダーガスト統括責任者は、「これまでの試験運転で歩行者の危険行為や交差点で線路をまたいで信号待ちする車両などが増えている。また、これまでにニアミスも何度か起きている。携帯電話に気を取られて注意を怠たる通行人やトラムが来る前に交差点を渡りきろうとする車両との事故が起きて欲しくない」と語っている。
トラムに備え付けられたビデオカメラで、トラムの運転士が急ブレーキをかけたおかげで危うく事故を逃れた歩行者の姿が何度も公開されているが、プレンダーガスト氏は、「11月中旬からは運行計画通りの頻度でトラムを走らせることになっており、事故の可能性も高まる。これまで何年も街路が自動車通行不可になっていたため、歩行者は乗り物が走ってくるとは予想しなくなっている。しかし、トラムは本物の電車であり、道を渡る時は左右を確認しなければならない」と語っている。
プレンダーガスト氏は、「トラム停留所ごとに群集管理計画を編成しなければならないため、今年5月のメトロ北西線よりも難しいことがたくさんある」と語っている。
■ソース
‘We don’t want a tragedy’: Warning ahead of trams simulating full service