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連邦上院、保守連合政府の「労組潰し法」否決

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ワン・ネーション、ランビー無所属が反対票投じる

 11月28日の連邦議会上院は、保守連合政府が提出した「Ensuring Integrity Bill」通称「労組潰し法」を労働党、緑の党、ワン・ネーション党、ジャッキー・ランビー無所属議員の反対で否決した。政府与党は、ワン・ネーション党2議員、ランビー無所属議員が政府法案を支持するものと信じており、3議員の不満に気づかなかった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同法案は、労組または労組幹部の行為が不適切と見なした場合に、政府が連邦裁に当該労組の登録抹消を請求できるようにするというもので、政府は労組の責任性を明確にする法律と主張しているが、労働党、緑の党は、同法案を労働組合運動に対する攻撃として当初から反対の姿勢を崩さなかった。

 同法案は、与党が多数を占める下院を通過していたが、諸派無所属が決定権を握る上院で同法案を通すため、ワン・ネーション、無所属議員に働きかけ、いくつかの修正案も受け入れていた。そのため、法案が否決された時には政府与党はショックを隠しきれない様子だった。

 クリスチャン・ポーター労使関係担当大臣は、「非常にがっかりだ。いつか再び法案を再提出する考えだ。(ワン・ネーション党の)ポーリン・ハンソン議員とは交渉の過程で要求を全て呑んだのになぜ反対票を投じたのか説明を聞きたい」と語っている。

 ハンソン議員は、「我が党は11項目の修正案を出したが、いくつか非修正変更があり、全面的な支持を与えることができなかった」と語っており、また、ABC放送のインタビューに対して、「ウェストパック銀行が膨大な数のマネー・ロンダリング法違反をしていながら保守連合政府はウェストパックに対して何の責任追及もせず、労組に対しては厳しく責任追及しようとしている。それではいけない。ただし、労組幹部も綱紀粛正しなければならない」と発言している。

 ペニー・ウォン労働党上院幹事は、「スコット・モリソン首相は諸派無所属議員を説得するよりもアンガス・テイラー・エネルギー大臣を弁護するのに必死で、上院に法律の存在理由を説得できなかった。上院は、首相の労働者攻撃、労働者代表攻撃を受け入れなかった」と語っている。

 ランビー議員は、「修正案を渡して政府にチャンスを与えたが、政府は拒否し、考えることもせず、自ら敗北を導いた」と語っている。

 豪労働組合評議会(ACTU)のミシェル・オニール議長は、「法案否決は労働者国民の勝利だ。労働党、緑の党、ジャッキー・ランビー議員、ポーリン・ハンソン・ワン・ネーション党に感謝する」と語っている。
■ソース
Federal Government’s crackdown on unions rejected by Senate after One Nation sides with Opposition

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