抜け穴塞いでも依然続く「不正利用」
オパール・カード施行以来、NSW州政府は何度か規則を変更し、「不正利用」の手段を防いできたが、依然として抜け穴を巧みについた「不正利用」はとどまるところを知らず、累積損失は1,000万ドルに達している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
年間の損失額は漸減しているが、オパール・カードの口座がマイナス・バランスの状態でカードをタップして降りる乗客の「不正利用」による累積額は大きく伸び続けている。
そのため、マーガレット・クロフォードNSW州会計検査院長は、運輸局に対して「運賃収入損失を防ぐ対策を取るよう」勧告してきた。
2019年度のオパール・カード口座マイナス・バランスによる運賃未回収額は290万ドルで、前年度の380万ドルをかなり下回っているが、無記名のオパール・カードでは所持者がトップアップするまで不足額を回収することができない。
2019年1月、空港施設利用料が追加されるシドニー空港駅では、マイナス・バランスで降りようとするとプラットフォームの機械でトップアップしない限り、出られないようになった。また、空港駅でオパール・カードを購入するとカード口座に最低$35のバランスがなければならなくなっている。この空港国内線駅と国際線駅が運賃未回収の大きな原因になっていた。
NSW州運輸局は、「今後も運賃未回収防止対策を考えていく」としているが、不正乗車船はオパール・システム発足以来半分以下になっている」と主張している。
また、シドニー・バスの混雑度が過去1年比較で悪化しており、2018年度には8801回だった「乗客積み残し回数」が、2019年度には9700回近くに増えている。そのため、NSW州運輸局は2,500万ドル近い予算を投じて2020年度には2850便近いバス増便を進めている。
また、州会計検査院長は、12月のライト・レール新線開業を前に、「コストと予算の公正化を改善するよう」要求している。
■ソース
Cost to taxpayers of Opal cardholders dodging fares hits $10m