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大晦日のシドニー花火大会で浄財200万ドル

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赤十字ブッシュファイア救済募金に市民旅行者

 大晦日のシドニー花火大会には毎年批判があるが、批判者のほとんどは650万ドルの経費がもたらす推定20倍の経済効果を知らない。しかし、今年は州各地にブッシュファイアが発生しており、「大勢の人が被災している時にお祭り騒ぎはけしからん。被災者に寄り添え」という反対論も出ている。

 クロバー・ムーア・シドニー市長は、「花火大会は15か月前から準備しており、ブッシュファイアは予想できないこと。すでに経費は支払い済み。むしろ、気候変動に対する意識を高めるべき」と反論して花火実施を発表していた。グラディス・ベレジクリアンNSW州首相やスコット・モリソン連邦首相も花火大会支持を示していた。

 大晦日午後9時開始の家族向け打ち上げ花火は強風のため15分遅らされたが実施され、2020年1月1日午前零時の花火大会にはシドニー・ハーバー沿岸や市内に推定100万人の人出があった。ただし、ABC放送は毎年の打ち上げ花火特別番組をかなり控えめな形で抑えたことが目立っている。

 1月1日午前、ムーア市長は、「昨年暮れは、州内各地のブッシュファイアで死者も出ており、悲惨な年になった。シドニーの人出は100万人の予想を裏切らず、大きな事件も起きず、交通機関も円滑に乗客をさばくことができた。1月1日午前2時には100人を超える市職員が市内の通りの掃除を始めることができた」と発表している。

 さらに、「大晦日には市民や旅行者に訴えて赤十字ブッシュファイア被災者救済の寄金を募り、200万ドルを超える浄財を集めることができた」と発表している。

 花火大会中止を求める請願署名は25万人に達し、SMHのオンライン世論調査でも61対39の比率で中止派が多かったが、ムーア市長は、「国内各地で苦しんでいる人が大勢いる時にお祭りを決行するというのは難しい決断だった。しかし、このブッシュファイアは政府に気候変動対策の行動を起こすことを求める警鐘として受け止めるべきではないか」と語っている。

 警備に当たった警察も、ミック・ウィリング州警察副長官が、「おおむね市民の態度は非常によかった。ごく少数の反社会的行動もあったが、軽微な違法行為でごく少数の逮捕者があっただけだ。また、水上警察部も多数のボートのサポートを行い、ボート1隻が転覆した事故で4人を救助したことだけが事件だった」と発表している。

 ただし、緊急電話トリプル・ゼロには31日午後5時から1日午前3時までに2000件の救急医療を求める電話があり、午前零時から1時までの間に234件の通報があったが、そのほとんどは暴力事件、泥酔などに関連した負傷だった。他にも転落事故、ドラッグ・アルコール急性中毒患者も少数あったと発表している。
■ソース
New Year’s revellers raise more than $2 million for bushfire relief

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