死者を出し、町並みが焼け落ちたコバーゴの住民に
NSW州南部海岸地域の町、コバーゴはブッシュファイアのためにプリンセス・ハイウェイ沿いの町並みが焼け落ち、町外れで家を守っていた父子が焼死するという悲惨な被害を受けた。
1月2日、コバーゴを視察に訪れたスコット・モリソン連邦首相が、被災住民から、「恥を知れ、キリビリに帰れ」のヤジを受け、握手も住民に拒否されるという事態になった。
ABC放送(電子版)が伝えた。
モリソン首相は、緊急出動機関職員を督励し、ブッシュファイア被災者にサポートを提示するためにコバーゴを訪れたが、出迎えた地元住民グループから抗議の声を浴びせられる結果になった。住民の一人は、「恥を知れ。お前が国を燃やしたのだ。イヌのスコモだ」とヤジっている。
住民グループの敵対的な声を受けた後、モリソン首相がABC放送のインタビューで、「住民がいらだっていることには驚かない。だから、私が自分の眼で確かめるためにここに来たのだ」と語っている。
首相がコバーゴを訪れていた頃、気象庁(BoM)は、「週末の1月4日にはNSW、VIC両州の火災現場の状況は大晦日よりももっと危険になることが予想される」と発表している。
1月3日朝にはNSW州政府が州全域に非常事態令を発令する予定になっており、また、旅行者に対してナウラからVIC州との州境までの14,000平方キロの地域から退去するよう当局の命令が出ている。
モリソン首相は1月6日にブッシュファイアの危機に対する現在の対応について協議するため、National Security Committee of Cabinet(国家安全保障閣僚委員会)を開く予定にしており、取材陣から、「現在の危機対応は適切と思うか」と質問された首相は、「今は冷静を保つ時だ。助けを必要とする人々、事態に対応する資源について考えるべき時だ」と答えている。
シドニーでの記者会見でもモリソン首相は、「現在の炭素排出量削減は目標を達成できる」とこれまでの持論を繰り返したが、その前日にはNSW州の自由党青年部、ヤング・リベラルが、「現在よりはるかに積極的な炭素排出量削減政策を探るべきだ」と保守連合に求めた。
■ソース
Morrison told ‘he should be ashamed of himself’ as he visits bushfire-ravaged Cobargo