新型コロナウイルス蔓延震源地武漢出入り制限
豪当局は、「やむを得ない旅行か?」として、中国中部の武漢への渡航を計画している国民に計画を変えるよう指示している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
一方、武漢ではすでに市への出入りを制限する措置を取っており、1月23日にシドニーに到着した航空機の乗客は咳などカゼ様の症状を検査された。この飛行機が当分の間最後の武漢発のフライトになる。
人口1,100万人の武漢では571人の新型コロナウイルス発病者が出ており、17人が死亡している。そのため、中国当局は武漢の人口に対して太陰暦正月の里帰りを禁止し、同市発の鉄道列車も航空機もすべて規制している。また、連邦政府のグレッグ・ハント保健相は、「国民には武漢への旅行を再考するよう促している」と発表している。
1月23日午前11時30分、武漢発の中国東方航空機がシドニーに到着した。武漢では現地時間午前10時(豪東部海岸時刻午後1時)を期してすべてのフライトが取り消されるため、その前に脱出しようとする人々で満員だった。武漢は湖北省の省都。
このニュース時には新型コロナウイルス発症患者は544人で、アメリカ、台湾、韓国、日本でそれぞれ1例ずつ発見されており、タイでは4人が発症している。オーストラリアではまだ患者は出ておらず、イギリスも中国武漢への渡航を見合わせるよう呼び掛けている。
新型コロナウイルスの症状は同じコロナウイルスのSARSやMERSと似ており、野生獣肉を売っている武漢の魚市場で感染が始まったと見られている。最初は獣からヒトへの感染しかないとされていたが、その後患者数の増大と共に、魚市場に行かなかった人にも感染患者が出ており、1月20日、中国当局は、この新型ウイルスがヒトからヒトに感染する可能性があることを認めた。また、死亡率は2003年に大流行したSARSの10%をはるかに下回っている。
世界保健機関(WHO)が23日に会合を開き、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言するかどうかを話し合ったが、緊急委員会は24日まで待って結論を出すことが決められただけだった。
■ソース
‘Reconsider your need to travel’: Australia issues warning on Wuhan