連邦警察、「連邦法違反は認められず」と却下

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パスコー教授のアボリジニ血統問題

 「Dark Emu」の著者、ブルース・パスコー氏がアボリジニの血統を詐称し、経済的利益を得ている、とする訴えがアボリジニ弁護士からピーター・ダットン内務相に送られ、ダットン内務相が連邦警察(AFP)に捜査を依頼するという異例のできごとがあったが、1月24日、AFPは、この問題に関して連邦法違反があったとは認められない、として、AFPがこれの継続捜査を拒否する回答を送ったことが伝えられている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 訴えを出していたのはシドニーの弁護士兼実業家のジョセフィーン・キャッシュマン氏で、「パスコー教授は、アボリジニに与えられる政府の助成金、大学の席、文学賞を得るために血統をでっち上げている」と非難する文書をピーター・ダットン内務相に送り、内務相がこれをAFPに送って捜査を依頼していた。

 しかし、AFPは、「集められた情報とこれまでに行った調査から、連邦法に違反した事実はない」として、AFPの捜査対象ではないと却下している。

 パスコー氏のアボリジニー血統については以前から保守系のコメンテータやメディアから繰り返し出されているテーマであり、キャッシュマン氏も、超保守政治家のダットン内務相に手紙を送り、また、保守系メディアのインタビューで話を進めてきている。

 また、キャッシュマン氏は手紙の中で、「アボリジニ血統登録制度設立を」と要求したことが明らかにされており、歴史的に「民族登録」は民族差別制度としてファシスト政権が実施してきたことであり、キャッシュマン氏の主張に批判が出ている。

 また、キャッシュマン氏は白人保守系メディアだけでなく、先住民族ではTAS州のマイケル・マンセル氏の支持を得ており、一方、パスコー氏はマーシャ・ラングトン氏や自由党政治家のケン・ワイヤット氏の支持を得るなど、先住民族コミュニティの中に亀裂のあることをうかがわせる。
■ソース
AFP dismisses claims Dark Emu author faked Aboriginal heritage for profit

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