弱り目に祟り目の豪経済に23億ドルの負担

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旱魃、火災に続いて疫病で輸出・観光に打撃

 2019年9月以来ブッシュファイアが国内各地で発生し、復興に向けて国民経済に莫大な負担になっているが、火災が一段落すると今度は中国で発生した新型コロナウィルス蔓延で中国市場向けの輸出や観光が大打撃を受けている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 オーストラリア経済はすでに軟調になっており、いつ終わるともしれない旱魃への対策や激しいブッシュファイアからの復興に直面している上にこの疫病の経済的影響は雇用で2万人、金額で23億ドルにのぼると試算されている。

 中国はオーストラリアにとっては最大の観光市場であり、その上に大学には全額自費の留学生が20万人以上学んでおり、学費だけでなくその生活費もオーストラリアにとっては重要な輸出品目になっている。

 プライスウォーターハウスクーパーズ社が実施した調査は、当初は、中国政府がオーストラリア観光や留学の人数を制限した場合の国内経済への影響を調べるものだったが、複数の部門にまたがり、長期的な影響についても調査範囲に組み込んでいる。

 その調査の結果、中国からの観光客と留学生は年間92億ドルを支出しており、これが制限を受けるとなると、オーストラリアのGDPが23億ドル低下し、2万人のフルタイム雇用が失われるとしている。

 大学は2月から新学期が始まるところも多く、中国からの留学生が新学期に戻って来れないことになれば大きな影響を受けることになる。

 ジョッシュ・フライデンバーグ財相は、今年度の財政にも大きな影響がある。特に、コロナウイルス蔓延が起きる前には大規模なブッシュファイアで被災地救済のために少なくとも5億ドルを支出する予定になっており、その上に疫病の影響がかぶさってくることになる、としている。

 2002年から2003年のSARS騒ぎの時には中国からの旅行者は9%減少しており、2008年の世界金融危機の際には12%減少している。
■ソース
‘Bad news on bad news’: Virus could land $2.3b hit to the economy

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