カンタス機、武漢救出飛行に向けて準備
連邦政府は新型コロナウィルス蔓延で出入りを規制されている中国湖北省武漢から帰国できない600人ほどのオーストラリア国籍者の救出のためにカンタス航空機を派遣する計画を進めている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
また、スコット・モリソン連邦政府はクリスマス島の入管収容所を臨時検疫所と定めており、カンタス航空機は武漢からの救出者をこの臨時検疫所に移すことになる。
1月29日、連邦閣僚国家安全保障委員会は、600人の国民を中国湖北省からインド洋のまっただ中にある孤島の入国管理センターに運び出すという前代未聞の計画実施の署名を行った。
モリソン首相はこの計画を発表したが、成功の保証はないとしている。
新型コロナウィルス蔓延の急激な展開に対処するため、Australian Medical Assistance Team (AUSMAT) の職員が救出者を検疫所に14日間隔離治療することになった。
1月29日午前現在、新型コロナウィルス患者は6000人、そのうち80人強が中国国外で発症しており、オーストラリアでは5人の患者が確認されている。また、死者は132人にのぼっている。
マリス・ペイン外相は、湖北省には600人のオーストラリア人が大使館に在留届を出しているが、その全員を救出するのか、全員がクリスマス島行きを望むのかはまだ不明であり、また、ニュージーランド政府もこの救出作戦に相乗りして自国民救出を希望している。
モリソン首相は、「子供や病弱者を優先するが、地域は封鎖されており、中国政府の許可と地域当局の協力がなければ不可能だ。また、今回成功しても、次の機会に成功するとは限らない。様々な条件を考えなければならない。救出するのは湖北省に生活手段を持たない者、短期滞在旅行者を優先する」と発表している。
一方、国内ではSA州湖北省人協会のチェン・チェン会長が、「クリスマス島への検疫隔離はいい考えではない。武漢にいるオーストラリア人も脱出をためらう可能性があり、クリスマス島に移されて動揺することになるだろう」と発言している。
■ソース
Qantas set to evacuate Australians from Wuhan, fly them to Christmas Island