豪連邦手配のカンタス・新型コロナウィルス緊急便
1月29日、スコット・モリソン保守連合連邦政権の発表した「武漢で立ち往生している600人のオーストラリア国民をカンタス機でクリスマス島の入管検疫所に輸送し、検疫所で2週間過ごしてもらう」救出案は、翌30日には「武漢・クリスマス島2週間の隔離宿泊付き」で1人あたり$1,000を支払わなければならないことが明らかにされている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
モリソン政権は、この「国民救出作戦」のために北京の中国政府と高レベルの話し合いを行っている。
1月30日現在、新型コロナウィルスによる死者は170人、患者数は7,000人に達しており、そのほとんどが中国国内だが、日本、ドイツなどでは中国に行っていないにもかかわらず発病したヒト・ヒト感染が確認されている。
外務貿易省(DFAT)では、湖北省に滞在しているオーストラリア人に対して、今後何日かで武漢に到着する予定のカンタス緊急便に乗るために必要な手続きを伝える作業を始めた。
武漢の救出予定者によると、同機でオーストラリアに帰るためには$1,000を支払った上でクリスマス島の検疫所で14日間隔離されることを承知し、あらゆる請求権を放棄する権利放棄書に同意することが求められている。
また、クリスマス島で14日過ごした後、WA州パースまで運ばれることになっており、そこからは自力で帰宅手段を手配しなければならない。
また、クリスマス島の滑走路はボーイング747などの大型機は満席では着陸できない。そのため、一旦本土の空港を経由し、軍用機でクリスマス島に移すことも検討されている。
1月29日に日本政府がチャーターした航空機で帰国した日本人の場合にはウィルスに感染していたことが確認されており、豪政府は、「全員を隔離できるのはクリスマス島の入管収容所しかない」と語っている。
ただし、中国政府外交部は、「この疫病に関して、WHOは、慌てて大勢の人間を避難させることを認めていない。我が国は武漢の国民や外国人を保護するために努力している」として、オーストラリア政府の救出作戦には同意していない。
また、湖北省にいるオーストラリア人にも、政府チャーター機で、入管収容所として大勢の難民希望者が抑留されたクリスマス島に運ばれることをいやがる声が挙がっている。
■ソース
Australians will need to pay $1000 to be evacuated from Wuhan