ウロンゴン大学、職員に支出切り詰め方針を指示

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COVID-19で収入源の中国人留学生激減

 新型コロナウィルス感染拡大で中国からの留学生のオーストラリア入国が禁止されており、2月15日が期限だった措置がさらに1週間延長されている。そのため、国内の大学はどこも全額自費の中国人留学生が激減しており、収入が大きく落ち込んでいる。

 ウロンゴン大学(UOW)の職員は、中国人留学生の入学が大幅に減ったため、出費を抑えるよう指示する電子メールを受け取っている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 先週、UOWのダミアン・イズラエルCOOが上級職員に電子メールを送り、海外出張、外部コンサルタント雇用、設備購入、コンファレンス出席などを切り詰めるよう指示している。

 イズラエルCOOは、「中国人留学生入学者が著しく減っていることから財政見通しが悪化している」ことを理由に挙げている。

 連邦政府の、「中国からの旅行者入国禁止」は2月15日に期限が切れる予定だったが、スコット・モリソン政権はこの措置をさらに1週間延長した。そのため、10万人を超える中国人留学生が、大学、TAFE入学に間に合わせてオーストラリアに入国できなくなった。

 ある上級講師は、「授業を始めなければならないが、臨時講師を雇うこともできない。また、コンファレンスの準備をしなければならないが、それもすべて中止だ。大学はちょっとパラノイアになっているようだ」と語っている。

 オーストラリアの海外留学生は収入では年間320億ドルにもなり、第3位の輸出部門になっている。また、その3分の1が中国人留学生で占められている。

 UOWの場合、約2,200人の中国人留学生が入学したが、そのうち1,082人はまだオーストラリアに戻れないでいる。

 大学側は、入学したままオーストラリアに入国できない学生に対してオンライン授業を用意することも考えており、学業成績を個別に3月31日にまでに済ませる考えを明らかにしている。シドニー大学の場合は一部のコースの始業を遅らせており、NSW大学は中国人留学生に向けて入学を遅らせるよう指示している。
■ソース
University of Wollongong clamps down on spending after coronavirus damages enrolment

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