砕氷船「南極光」、役目終え、最終航海に

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1989年建造以来31年間南極観測隊輸送

 砕氷船「オーロラ・オーストラリス(南極光)」は、1989年に時の連邦首相、ボブ・ホーク氏の妻、ヘーゼル・ホーク氏が進水式を執り行って以来31年間、オーストラリア南極観測隊を運んできた。その間、氷海に閉じ込められた外国の南極砕氷船を救助したこともある。

 南極観測隊輸送の役目を終えて南極のモーソン豪基地を後にしたオーロラ・オーストラリスは、最後の航海としてマコーリー島観測隊の1年分の備蓄、食料、燃料を補給のためにオーストラリア本土の港に戻る。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 1989年にニューカッスルのカリントン造船台で建造された同船はオーストラリア南極部(AAD)所属で基礎調査を担当する観測隊員を運んできた。AADのチャールトン・クラーク・ゼネラル・マネージャは、「オーロラ・オーストラリスの退役は一つの時代の終わりを象徴している。30年間にわたってオーストラリアの南極観測プログラムのバックボーンとして務めてきた同船はオーストラリアの南極観測史上に大きな位置を占めている。150回を超える再補給の航海で14,000人の観測隊員を運んできた」と語っている。

 また、ロブ・クリフトン氏は、「オーストラリア本土から遠く離れた荒海に浮かぶハード島周辺の海洋生態系や捕食者/被捕食者の関係の調査でオーロラ/オーストラリスの果たした役割は見事だった」と語り、最後の航海に乗船する58人の観測隊員が同船に正しい別れの挨拶をすることを期待し、「伝統になっているバーベキューと乾杯を捧げることができればいいが」と語っている。

 オランダで建造されたAADの後継船、「RSV ヌイナ」は、納入が遅れており、現在は2021年1月に処女航海を予定している。「ヌイナ」はアボリジニの言葉で南極光を指す。

 ヌイナ納入までの間、90日ほどAADでは他の船を探さなければならないが、それもほぼ目鼻はついている、と語っている。

 オーロラ・オーストラリスは、P&Oマリタイム社の持ち船で、船の将来を決めるのも同社が行うことになる。
■ソース
Aurora Australis saluted as Antarctic icebreaker begins final voyage

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