範囲広げ、咳、熱、喉の痛みあれば受検勧告
NSW州政府は、入帰国者と濃厚接触者、医療従事者等のコロナウイルス感染検査対象者がかなり減少したため、次第に懸念を深めていた市中感染防止に重点を移していく。
そのため、検査対象を広げ、咳、熱、喉の痛みなどの軽い症状でもあれば感染の心当たりがなくても検査を受けるよう呼びかけが始まっている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
NSW州の感染確認数は2886人で、そのうち3分の1強が市中感染。さらに市中感染のうち350人は感染経路がまったくつかめていない。また、オーストラリアの国境封鎖で入帰国者が激減しており、ピーク時には4500件あった検査も4月14日には1305件にまで減っているため、検査体制の余力が大きくなっている。
4月15日、グラディス・ベレジクリアン州首相は、コロナウイルス感染ホットスポットとして、ペンリス、インナーウェスト、リバプール、ランドウィック、ウェイバリー、ウラーラ、ブラックタウン、カンバーランド、ウェストミード、ライドの各地域を指定、各カウンシルの住民は軽い症状でも検査を受けるよう呼びかけている。
州首相は、「広がりを抑えるためには各地域で感染者が他の人を感染させることを防がなければならない」と語っている。
シドニー大学のスティーブン・リーダー公衆衛生学名誉教授は、「市中感染者数が下がっていないということは市中感染状況が居座っていると言うことであり、非常に気がかりなことだ。問題は地域のどこにウイルスが潜んでいるのかを突きとめることであり、私達はウイルスの広がりを野放しにしておくことはできない」と語っている。
シドニー都市圏西端ペンリスに近いキャデンズの高齢者施設、アングリケア・ニュー・マーチ・ハウスではヘルスケア職員が軽い症状があるなか職務を続けていたため感染を広げ、職員6人、入居者4人が検査で陽性と判定され、職員、入居者合わせて100人近くが自己隔離に入った。
■ソース
Anyone with a ‘scratchy throat’ should get tested for coronavirus, says NSW Health