豪外相が「WHO抜きの」検証の必要を主張
豪連邦のマリス・ペイン外相は、中国湖北省武漢市でコロナウイルス(COVID-19)が発生した当時の中国側の対応に関して、国際的な調査の必要を語っている。また、調査ではWHOを抜きにして行うべきだとしている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
2019年末近くに中国湖北省武漢市の市場から始まったとされる新型コロナウイルスの発生時に武漢市幹部がウイルス感染症の危険を告発した医師を逮捕するなどした上に事態を隠蔽しようとして、しばしば計算基準を変更するなどした上に、「ヒトヒト感染はほとんどあり得ない」と発表しており、WHOが中国発表をそのまま受け入れるなどしていた。現実にはヒトヒト感染力が強いウイルスと判明した。また、WHOは、中国政権に忖度してパンデミック宣言を遅らせたなどのことも指摘されている。
連邦政府のマリス・ペイン外相はコロナウイルス・パンデミックの発生に関して、中国側の扱いなども含めて世界的な調査の取り組みが必要だと語った。
また、調査にあたっては、中国側に偏ったWHOを排除して行うべきだと主張している。野党労働党も保守連合政権のこの世界的調査の必要を支持し、他の国々の支持を取り付けるよう政府に求めている。
ペイン外相は、中国の協力的な態度を求めているが、ABC放送の「中国を信頼するか?」との質問に対しては回答を避け、「中国が協力するはずだということでは信頼している。コロナウイルス問題の調査は不偏不党の独立した審理が必要であり、私たちがその仕事を担うことが重要だと考えている」と語った。
4月17日にスコット・モリソン連邦首相が、「WHOに対する批判は非常に正当性がある。連邦政府もWHOとの関わり方を再検討している」と述べているが、「ただし、WHOは太平洋島嶼国の何百という求めに対して迅速に対応するなどしており、また、近年にはいくつかの疾病の大発生に対応してきた。したがって、WHOに対する批判はそれなりに正当だが、WHOも重要な任務を行ってきており、豪政府としてもWHOと協力関係を維持する必要があると思う。ただし、WHOを全く批判しなくていいということではない」と語っている。
■ソース
Marise Payne calls for global inquiry into China’s handling of the coronavirus outbreak