コロナウイルス発生国際調査要求に大麦・牛肉で対抗
オーストラリア産大麦の輸入関税80%に続いて、中国政府はオーストラリア国内の食肉企業4社の牛肉の中国輸出ライセンスを停止した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
QLD州のKilcoy Pastoral Company、JBS所有のBeef City、Dinmoreの3社とNSW州のNorthern Cooperative Meat Companyの1社で中国への牛肉輸出量の35%を占めており、総額は35億ドルにものぼる見込みで、オーストラリア国内では、「オーストラリアが武漢のコロナウイルス発生時の国際調査を提案しており、中国側はこの提案をドナルド・トランプ米大統領のコロナウイルス中国陰謀説を肩代わりするものと批判していることから、中国政府のこの措置もコロナウイルス国際調査提案に対する報復と見ている。
サイモン・バーミンガム貿易相は、「連邦政府は、昨日になってこのライセンス停止を知らされた。中国当局者は、食肉のラベリングと牛の健康証明条件に関する問題が原因だとしている。高度に技術的な問題で停止されており、中には1年前に遡る事案もある」と語っており、輸出問題の変更はコロナウイルス調査のメリットとは別個に検討すべき問題だ。コロナウイルス調査問題はオーストラリア産牛肉やオーストラリア産大麦とはまったく無関係だ。また、他の国が’この2つの問題を結びつけて考えることはないと期待している」と語った。
バーミンガム上院議員は先に声明を発表し、「この問題を解決し、一刻も早く食肉業界が平常通りに輸出業務を回復できるよう、国内の業界や中国当局とも協力してことにあたる用意がある」と述べている。
4月、駐キャンベラ中国大使は、「コロナウイルス国際調査を追求するならオーストラリア産商品に対する中国消費者の反発があるだろう」と脅迫している。
サザンQLD大学の中国貿易専門家、ベン・ライオンズ氏は、「中国はオーストラリアと外交ゲームを演じているだけだ。今回ライセンスを停止された食肉会社の一つ、キルコイ社は中国が出資している企業の一つであり、中国政府内でも足並みがそろっていないことを示している」と語った。
さらに、「最終的にオーストラリアの方が強い札を持っている。オーストラリアは中国が必要としている物をたくさん持っている」と語っている。
■ソース
Red-meat processors have beef sales to China suspended as trade barriers escalate