「F-35生産を米国内に移す」とトランプ米大統領

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部品を特定購入国で生産する契約が危機に

 ドナルド・トランプ米大統領は、「F-35統合打撃戦闘機をアメリカ国内で一貫生産する」と発言しており、トランプ大統領が発言を実行すればオーストラリアも部品生産の防衛産業が大被害を被ることになる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 トランプ大統領は、ロッキード=マーチン社のF-35をすべてアメリカ国内で生産すべし、と発言しているが、オーストラリアは100機を購入する予定になっており、オーストラリアでも同機に組み込む部品の生産のために何千人という技術者の雇用がかかっている。

 オーストラリアはアメリカに選ばれて、世界の十数か国に売却する機体の部品を生産することになっており、フォックス・ニューズに出演したトランプ大統領は、「これまで見てきた愚行の数々を何百でも並べることができるが、その一つが戦闘機生産だ。どの戦闘機とは言わないが、F-35だ。この戦闘機の部品を世界中で生産しており、トルコでも造っている。もし、そういう国ともめた時にはアメリカはF-35を造れなくなるんだ。こんなばかげた話はない。部品もすべてアメリカ国内で造るべきだ。しかし、私の政権はこれまでの政策をすべて変えるためにあるのだ」と語っている。

 もし、トランプ大統領がその発言を実行すれば、多数の技術者の雇用が失われるだけでなく、何億ドルもの生産契約もすべて破棄されることになり、オーストラリアの防衛産業は甚大な打撃を受ける。しかし、ある専門家は、部品生産のサプライ・チェーンをすべて撤去し、アメリカ国内に移転することは不可能に近いと疑いを語っている。

 スコット・モリソン連邦首相は、「どうなるか見ていようではないか。あまり先走るのも考えものだ。すべて契約や合意事項ができており、それを今まで通り遂行していくだけだ」と語っている。

 また、リンダ・レイノルズ国防相は、「オーストラリアはF-35生産プログラムでもっと深く関わっていく方向で働きかけてきており、それは今後も変わらない」と語っている。
■ソース
Donald Trump’s threat to move F-35 production to US could jeopardise thousands of Australian jobs

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