帰るも留まるもできず2か月、慈善に頼る人も
3月半ばのコロナウイルス・ロックダウンでオーストラリアから出られなくなった海外からの旅行者が今も11万人ほど滞在している。彼らは自国に帰ることもできず、また留まることもできないままオーストラリア滞在を続け、中には食事などの慈善に頼っている人もいる。
ABC放送(電子版)が伝えた。
南米コロンビア出身のソニア・アルバレスさん(58)、娘のカミラ・カルドナさん、義理の息子、リカルド・ストルツェさんの3人は3月16日に3週間の予定でオーストラリアに来たが、オーストラリアに着いて間もなく、コロンビアが国境を閉鎖し、予約したフライトも取り消された。
豪内務省によると、コロナウイルスで立ち往生している海外旅行者は11万人にのぼり、そういった海外の自国民を本国に連れ戻す作業を行っている国は多いが、移動が厳しく制限されている上に航空券がきわめて高額になっており、帰るあてのない人が多い。
アルバレスさん達の場合、唯一手に入るコロンビアまでの航空券は一人$4,500する。カルドナさんは、「$4,500といえば1,200万ペソにもなる。オーストラリアで時期が来るまで待っていた方がいい」と語っている。
シドニーのコロンビア出身者コミュニティでは、マリックビルのアディソン・ロード・コミュニティ・センター(ARCCO)などのチャリティ団体と協力し、立ち往生している海外旅行者に食料や生活必需品を提供する活動をしている。ARCCOのロザンナ・バルベロCEOは、「こんな前例のない保健クライシスでは、オーストラリアの市民も旅行者もない。すべての人が助けを求めている」と語っている。
それでも、「生活しやすいオーストラリアで立ち往生したのは幸いだった」と語る旅行者もいる。
■ソース
Coronavirus lockdown leaves international tourists stranded in Australia