「報道の自由は米豪両国が尊重する権利」

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駐豪米大使、米警察官の豪人記者暴行事件に

 オーストラリア女性が黒人警察官に射殺された都市、ミネソタ州ミネアポリス市で白人警官4人に踏みつけられて黒人セキュリティが窒息死した事件に端を発し、頻発する黒人に対する警察官の暴力行為に抗議する行動がアメリカ国内主要都市で広がっている。

 しかも、これまでの暴動事件と異なり、各地で警察官がメディアの取材陣を狙い撃ちする暴力事件が多発している。これまでにオーストラリアのTV局、チャネル・セブンのジャーナリストが警察官に暴力を受けたことが報道されており、駐豪米大使が特にこの問題で発言した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 アーサー・B・カルバハウス・ジュニア氏がツイッターに声明を投稿し、「報道の自由はアメリカ、オーストラリア両国が共に尊重する権利だ」と述べている。

 さらに、「民主主義を大事に考える者は誰でもジャーナリスト虐待行為を深刻な問題と考える。アメリカはジャーナリストの保護と法の下でのすべての者の平等の保証に努力していく」と述べている。

 6月1日、ワシントンDCで事件を取材していたチャネル・セブンのカメラマン、ティム・マイヤーズ氏は、警官隊の盾で打たれた上に顔を殴られている。また、レポーターのアメリア・ブレース氏は警棒で殴られている。また、2人ともゴム弾を射たれた上に催涙弾の煙で呼吸できなくなった。

 この事件を重大視したスコット・モリソン連邦首相は、「ジャーナリストに対する暴力行為は問題だ。事件の捜査を要求する」と語っており、チャネル・セブンとも話し合い、取材陣の福利をチェックすると共に、アメリカの警察に対して訴える意思があるならオーストラリア大使館を通じて法的措置もできること、また、オーストラリア政府が援助すると申し出た。また、駐米豪大使館に対しても事件の調査を命じ、現地当局に対してオーストラリア政府の懸念を伝えるよう指示した。

 ABC放送も取材の女性レポーターが報道中に脇に催涙弾の直撃を受ける場面をニュースで流した。

 また、ミネアポリスでは、ナイン・ネットワークの取材クルーも警察官に拘束され、身体検査を受けている。

 ジャーナリストが「プレスだ」と名乗っても警察官にゴム弾を至近距離で射たれたり、押し倒され、プレス・カードを見せているにもかかわらず、至近距離から顔に催涙スプレーを噴射される、プレス・カードを見せても逮捕されるなどの事件が頻発している。
■ソース
US Ambassador to Australia responds to mistreatment of journalists

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