世界の航空会社が生き残りに必死
コロナウイルス・パンデミックの間、世界の航空会社がほとんどすべて休業しているため、各国が航空会社を支援している金額は1,300億ドルに達している。それでも、国際線しか持たない巨大航空会社にとって、運行再開が来年に持ち越される状況は非常に困難な事態になる。
そんな中でカンタス社の広報担当者が、「オーストラリアの国境閉鎖措置は当分続く見込みであり、当社もほとんどの国際線のフライトを10月後半まで全線運休する」と発表した。ただし、オーストラリアとニュージーランド(NZ)の間で「旅行バブル」協定が成立し、両国間だけの相互交通が始まれば、カンタス社も両国間だけの路線の運行を開始することになると予想されている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
さらに、「当社はまだタスマン海を挟んだ両国の路線のフライト・スケジュールが残っており、近い将来に両国間の航空事業が本格的に再開される見込みになっている。また、オーストラリアと他の国の間の国境閉鎖が解除されれば順次フライトを再開する用意がある」と語っている。
現在、バージン・オーストラリア社を含め、世界で11社が破綻しており、さらに多数の航空会社が破綻の瀬戸際にある。また、世界の航空会社の損失総額は1,200億ドルに達している。
カンタス社と再建バージン社は大規模な国内線網を擁しており、CAPAのピーター・ハービソン氏は、「当分の間、旅客もオーストラリア国内しか飛べない環境で保護されることになる。国内線を持たない航空会社は国際線網を再編成しなければならず、大変困難な事態になるだろう」と語っている。
それだけなく、オーストラリア国内の世論調査によれば、コロナウイルス蔓延の影響で航空機に乗ることに不安を感じない人は10人に1人程度しかいない。
さらに、コロナウイルス蔓延前から始まっていた世界不況が本格化しており、旅客が航空機に乗ることに不安を感じなくなったとしても、航空機で旅行する経済的余裕のある人が非常に少なくなっていることが考えられる。
■ソース
Qantas cancels overseas flights until late October, highlighting airlines’ struggle for survival