豪有名マイクロフォン・メーカー創立者
シドニーで開発され、世界的に有名なマイクロフォン・ブランド、Rode社の創立者が、ニルヴァーナのリード・ボーカリスト、故カート・コバーン氏の愛用ギターを900万ドルで競り落とした。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えている。
1967年のRode創立者の一人で現在は同社の会長を務めるピーター・フリードマン氏は、競り落とした動機を、「コロナウイルス蔓延で苦境にある芸術界に注目を呼びかけるためと語っている。
コバーン氏は1994年にアメリカのワシントン州の自宅で自殺しており、生前愛用していたマーチン社の1957年製D-18Eはアコースティック・ギターながら、エレキギターと同じピックアップ・マイクやコントロール類が着けられており、コバーン氏は左利きで持ち替えて使っていた。
フリードマン氏は、先日、カリフォルニア州ビバリー・ヒルズで開かれた競売で予想価格を750万ドル上回る900万ドルで競り落としている。
1973年、当時ニューヨークMTV Unpluggedというシリーズの音楽番組が人気を博しており、コバーン氏もD-18Eをひっさげて出演していた。一方、父親とフリードマン・エレクトロニクスを設立したフリードマン氏は借金を重ねながらマイクの商品見本を持って楽器屋を回る行商の毎日だった。
1990年代初めから半ばにかけて、破産寸前のフリードマン氏は、行商先のロサンジェルスでニルヴァーナの演奏を聞いた。
フリードマン氏は、コバーン氏愛用のギターは、どん底時代に聞いたニルヴァーナを象徴する「ほろ苦い」思い出であり、決して忘れることのできない人生の一コマの形見だと語っている。
また、ギターをオーストラリアに持ってきても、飾っておくのではなく、コロナウイルスがおさまった時には世界に持ち歩くつもりだと語っている。また、
また、世界を回った後、コバーン氏ゆかりのギターを売却して、「フリードマン財団を設立し、精神的、経済的援助を必要とする本物のミュージシャンを支援する活動に充てたい」と語っている。
■ソース
‘Milking it for a reason’: one man’s journey to the world’s most expensive guitar